新入社員のためのコンテンツマーケティング2025(10)コンテンツマーケティングとウェブ解析 ―成果を高めるための基本視点―

  最終更新日: 2025.10.14

  • 新入社員のためのコンテンツマーケティング2025(10)コンテンツマーケティングとウェブ解析 ―成果を高めるための基本視点―
  • この記事でわかること
    ・コンテンツマーケティングにおけるウェブ解析の基本的な考え方
    ・購買ステップごとに設定すべきKPIのポイント
    ・ユーザー行動を可視化するための代表的な手法

コンテンツマーケティングの現場では、テクノロジーの進化によって働き方や求められるスキルが大きく変わり始めています。本記事では、最新のテクノロジー動向をふまえながら、マーケターがこれから身につけるべき視点についてやさしく解説していきます。 

内容は、書籍DX時代のコンテンツマーケティング』を参考にしています。

KPIをどう設定するか  

  • コンテンツマーケティングは「つくって終わり」ではありません。大切なのは、発信したコンテンツが本当にターゲットに届き、意図どおりの行動につながっているかを検証することです。そのために欠かせないのが、ウェブサイトのアクセス解析です。

    最初に押さえておきたいのは、購買プロセスごとに異なるKPIを設定することです。

    たとえば「認知」段階のコンテンツは、すぐにコンバージョン(CV)に直結しません。にもかかわらず、すべてのコンテンツに同じKPIを置いてしまうと「成果が出ていない」と判断してしまう恐れがあります。購買ファネルの段階に応じて、指標を変えることが欠かせません。

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  • また、分析の方法も大切です。1回の訪問だけを見るのではなく、ユーザー単位で複数回の訪問を追跡する視点が必要です。たとえば、過去に読んだ記事がきっかけで最終的なCVに至った場合、その積み重ねを評価しなければなりません。

各ステップで見るべき指標 

認知段階では、新規の訪問がどれだけ増えているかを把握することが基本です。検索からの自然流入やSNSからの流入数が重要な目安になります。記事ごとの効果を正しく把握するためには、UTMパラメーターを設定して流入後の行動を追うのが有効です。

UTMパラメーターとは、 ウェブサイトのURLに追加する「計測用の文字列」 のことです。Googleアナリティクスなどの解析ツールで「どの広告・SNS投稿・メールから来たアクセスか」を識別するために使います。

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情報収集の段階に入ると、ページごとの滞在時間や離脱率、そして再訪率がポイントになります。ユーザーが「また訪れたい」と思って戻ってきているかどうかは、関心の深さを知る手がかりになります。

比較検討の段階では、どの記事が最終的な意思決定に影響を与えたかを見極めることが求められます。単に読まれたかどうかではなく、CVにつながる直前に読まれた記事の役割を把握することが大切です。

CVの段階では、フォームに入力してから送信せずに離脱するケースが非常に多いといわれています。どのコンテンツを経由してフォームに進んだのかを分析すれば、納得感を与えやすい記事がどれかを特定できます。

ユーザー行動を可視化する

アクセス数といった点のデータを見るだけでは不十分で、ユーザーがどのような順序でコンテンツに触れ、気持ちを変化させていったかを理解することが重要です。

アクセス解析ツールのGA4(Googleアナリティクス4)の「経路データ探索」機能を使うと、「記事Aを読んでから記事Bを読んだ」といった行動の流れを可視化できます。

さらに、その動きを図にまとめて「動線図」として可視化すると、会議での共有がしやすくなります。数字だけでは見えない改善のヒントが浮かびやすくなるのです。

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また、「ユーザーエクスプローラ」機能を使えば、特定のユーザーがどのような流れでサイトを訪問し、CVに至ったのかを個別に確認できます。すべてのユーザーを追う必要はありませんが、一定数を調べることで仮説を立てやすくなります

ページ内での行動を知る 

ページの中でユーザーがどこに注目し、どこで離脱しているかを把握することも重要です。「ヒートマップ」を使えば、クリック箇所やスクロール到達率、注視されたエリアを視覚的に確認できます。

ヒートマップとは、ユーザーがウェブページ上でどのように行動したかを、色の濃淡で可視化する分析ツールです。もしツールの導入が難しい場合は、Googleタグマネージャーを利用して任意の深さのスクロール到達率を計測する方法もあります。

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コンテンツ内容を改善する

検索キーワードを分析すれば、ブランド認知の広がりを確認できます。「Googleサーチコンソール」を使えば、検索クエリを分析することが可能です。自社名やサービス名といった「指名検索」が増えていれば、ブランド認知が高まっている証拠といえます。

また、ブランド理念やコンセプトを紹介するページへのアクセスも、ブランディング効果の指標になります。この場合は訪問回数ではなく、ユニークユーザー数での把握が望ましいでしょう。


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記事の離脱率が高い場合は、文章が読みにくい、図表が見づらい、文字サイズが小さいなどの原因が考えられます。こうした要素を改善すれば、読者の離脱を防ぎやすくなります。

さらに、新規会員と既存会員を区別して効果を測定するためには、GA4の「ユーザープロパティ」や「カスタムディメンション」を設定します。

ユーザープロパティ・・・ウェブサイトやアプリを利用しているユーザーの属性を定義するデータ

カスタムディメンション・・・標準で用意されているディメンション(データ属性)にはない、「独自のディメンション」を分析軸として使えるように設定する機能

これにより、ユーザー属性を区別して行動を追跡でき、精度の高い改善につなげることができます。

改善サイクルを回す

解析のゴールはデータを見ることではなく、改善につなげることです。

そこで有効なのが「仮説会議」を定期的に開くことです。毎月10本以上の仮説を出し、そこから数本を選んでA/Bテストを実施するスタイルを取れば、スピード感を持って改善を進められます。仮説の精度にこだわりすぎず数を出すことが、発想の幅を広げ、知見を積み重ねる近道になります。

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まとめ

コンテンツマーケティングにおけるウェブ解析は、単なる数値の計測ではなく「ユーザーがどんな道筋で行動し、なぜ離脱やCVをしたのか」を理解するための手段です。

そのポイントは、

  1. ステップごとにKPIを設定する
  2. ユーザー単位で行動を追う
  3. 行動の流れを可視化して共有する
  4. 仮説を立て、テストし、改善を繰り返す

この流れを定着させれば、コンテンツは成長していきます。ウェブ解析は、より良い体験を届けるための強力な道具なのです。

 

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執筆:今里

CONTENT MARKETING LAB ライター

※本記事は執筆及び画像作成にあたり、生成AIを利用しています。

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以下はアメリカでコンテンツマーケティングが盛り上がり始めた2012年に行ったインタビューの記事です。コンテンツマーケティング初期の記事なのでこれからコンテンツマーケティングについて勉強したい方に分かりやすい内容になっています。

 

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