新入社員のためのコンテンツマーケティング2025 (3)コンテンツマーケティングの始め方 ―基本の流れと成功のポイントを解説―

  最終更新日: 2025.07.08

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  • コンテンツマーケティングとは、見込み客に対して適切なコンテンツを提供することで、態度の変化を促し、最終的に購買へと導いていくマーケティング・コミュニケーションの手法です。本連載では、書籍『DX時代のコンテンツマーケティング』の内容を、初めての方にもわかりやすく紹介していきます。

今回の記事では、コンテンツマーケティングを始める前にやっておくべき基本のステップをやさしく解説します。ゴールの決め方やチームづくり、進め方をドキュメントにまとめて共有する方法など、すぐに役立つ内容をまとめました。

これから取り組む方も、今すでに始めている方も、土台をしっかり作るためのヒントとしてぜひご活用ください。

内容は、書籍DX時代のコンテンツマーケティング』を参考にしています。

 ゴールを決めずに始めるのはNG

コンテンツマーケティングを始めるとき、「まず記事を作ろう!」と動きたくなるかもしれません。でも、それではあまりうまくいきません。なぜなら、ゴールがはっきりしていないと、何をどう作ればいいのかが見えてこないからです。

コンテンツを作ること自体が目的になってしまうと、「誰のために」「どんな情報を届けたいのか」という大事な視点を忘れてしまいます。

コンテンツマーケティングの本当の目的は、情報を通じてお客さまと信頼関係をつくり、最終的に商品やサービスの購入・契約などにつなげていくことです。 

 ゴールはどうやって決める? 4つの方向性 

 では、どんなゴールを立てればいいのでしょうか? ヒントになるのが、次の4つの方向性です。 

ビジネスゴールの4つの方向性

方向性

ねらい

具体例

ブランド認知

(名前を覚えてもらう)

企業や商品を知ってもらう

YouTubeを見て「こんな商品があるんだ」と知る

ブランドロイヤリティ

(ファンになってもらう)

「このブランドが好き」と思ってもらう

気に入った商品をリピートし、新作が出るたびチェックする

カスタマーエデュケーション

(正しい知識を持ってもらう)

商品やサービスの価値や使い方を理解してもらう

調理器具メーカーが「プロのように焼ける使い方」の動画を発信する

カスタマーエンゲージメント

(日常的な関わりを持ってもらう)

顧客との関係を継続して深める

公式SNSで定期的に投稿し、コメントをもらう

 

これに加えて、目標設定のフレームワークである「SMART」という考え方もあります。このフレームワークでは、ゴールを次の5つの観点で具体化します。

 SMARTの5要素と例 

項目

意味

具体例

Specific

(具体的)

明確で具体的な内容である

〇〇〇(商材)の情報を提供し、商談の効率を高める

Measurable

(測定可能)

達成度合いが計測でき、数字で判断できる

Googleの検索順位で一位になる

Action-Oriented

(行動重視)

目標達成のための活動を、具体的な行動に落とし込める

毎月2、3本の記事を掲載する

Realistic

(現実的)

目標がチャレンジングであり、現状から実現可能なものである

3名の社員の隙間時間で実現可能

Time‑bound

(期限がある)

いつまでに達成するかを明確にする

半年後までに引き合い10件を達成する

 

これらの視点を満たすゴールにすることで、目標がブレず、チーム全員が同じ方向を向いて行動できるようになります。

 チームづくりと役割分担   

コンテンツマーケティングに必要なのがチームでの役割分担です。コンテンツマーケティングの権威であるCMI(Content Marketing Instituteによると、チームには以下の7つの役割が必要だと書かれています。

  1. チーフコンテンツマネージャー(総合ディレクター)
    コンテンツマーケティング全体を統括するディレクター
  2. コンテンツ戦略ディレクター
    ペルソナの設計からカスタマージャーニーマップの作成、コンテンツ展開など、戦略を練り上げる
  3. マネージングエディター
    制作フローの管理やガイドラインの作成など、チーム内の業務を管理する
  4. コンテンツ制作ディレクター
    コンテンツ制作において、ライターやデザイナーへの発注やクオリティチェック、編集業務全般を担う
  5. オーディエンス開発マネージャー
    ターゲットとなる顧客の動向を把握し、コンテンツへの流入を高める戦略を考える
  6. インフルエンサーラングラー
    外部メディアや有識者と連携し、自社のコンテンツマーケティング活動を広げるPR的役割
  7. テクニカルマネージャー
    コンテンツマーケティングの効果測定やデータ分析を行うアナリスト

 

人数がそろっていなくても構いません。小規模なチームでは、1人で複数の役割を兼ねることもあります。

 ドキュメントで共有しやすくする   

戦略を立てても、それがきちんと「文書」に残っていなければ、メンバーの異動や外部スタッフとの連携がスムーズに進みません。そこで必要なのが「ドキュメント化」です。

ドキュメント化が必須となる内容は次のとおりです。

  • ペルソナ設定:理想的なお客さま像の作成
  • 段階別情報ニーズ:購入の検討段階に応じた必要情報
  • カスタマージャーニーマップ:実際に購入するまでの流れ
  • コンテンツマップ:検討段階に応じたコンテンツの整理表
  • エディトリアルカレンダー:いつ・どんなコンテンツを出すかの予定表

加えて、以下も重要です。

  • ガイドライン:執筆フロー・表記ルールなど

これらを整備することで、迷わず進められるチームができます(詳しい作り方は次回解説します)。

 まとめ:まずは小さく始めてみよう   

ここまで紹介したステップを一度に完璧に実行するのは、正直大変です。しかし、ゴール設定→役割分担→ドキュメント化という流れを守れば、少人数でも着実な結果に繋がります

ポイント

  • ・ゴールはSMARTに具体化し、社内で共有する
  • 「誰に・何を・どう伝えるか」を段階に分けて考える
  • ・小さなチームでも役割を意識して動く
  • ・ルールはドキュメントにまとめて、あとから見直せる形にする
  •  

まずは、短めの記事やFAQの更新など、取り組みやすいタスクから始めましょう。小さくても成果が見えると、社内の理解が進み、次の施策へとつながります。

次回は、戦略をもとにどのようなコンテンツを作っていくのか、わかりやすくご紹介します。

 

より詳しい内容を知りたい方は、是非下記の書籍をご一読ください。

DX時代のコンテンツマーケティングDX時代のコンテンツマーケティング

  • 著者:Content Marketing Academy
  • サイズ:B5判
    定価:本体1,164円+税
    発刊日:2021年9月27日

    ISBN:978-4-600-00777-5

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  • 書籍紹介ページ
  • Amazonで購入

     

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執筆:今里

CONTENT MARKETING LAB ライター

※本記事は執筆及び画像作成にあたり、生成AIを利用しています。

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コンテンツマーケティング入門記事

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コンテンツマーケティングの著名人に聞く

以下はアメリカでコンテンツマーケティングが盛り上がり始めた2012年に行ったインタビューの記事です。コンテンツマーケティング初期の記事なのでこれからコンテンツマーケティングについて勉強したい方に分かりやすい内容になっています。

 

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