新入社員のためのコンテンツマーケティング2025(4)コンテンツマーケティングの進め方 ―コンテンツ制作までの7つのSTEPを解説―

  最終更新日: 2025.07.31

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  • コンテンツマーケティングとは、見込み客に対して適切なコンテンツを提供することで、態度の変化を促し、最終的に購買へと導いていくマーケティング・コミュニケーションの手法です。本連載では、書籍『DX時代のコンテンツマーケティング』の内容を、初めての方にもわかりやすく紹介していきます。

この記事では、コンテンツマーケティングの基本の流れを7つのステップで紹介します。コンテンツマーケティングでは、顧客に合わせた情報発信がとても大切です。各ステップをていねいに進めることで、コンテンツマーケティングの全体像がしっかり見えてきます。

 

内容は、書籍DX時代のコンテンツマーケティング』を参考にしています。

 STEP1:ペルソナを設定する 

 コンテンツマーケティングでは、「誰に伝えるか」が最初のポイントです。そのために、理想的な顧客像「ペルソナ」を設定します。 

 

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ペルソナの設定手順

  1. 既存客から理想的なカスタマーを抽出
    まずは、すでにいる顧客の中から、理想的な顧客像に近い人を選びます。特に、よく買ってくれる上位2割の顧客が対象になります。

  2. 抽出したカスタマーにインタビューする
    選んだ顧客に直接話を聞いて、どんな人なのか、どんな考え方をしているのかを深く理解します。35人に話を聞くと、共通点が見えてきます。

  3. セールスパーソンに確認する
    顧客と日々接している営業担当の意見も取り入れます。顧客が言葉にしない特徴なども聞き出せる場合があります。

  4. ペルソナ像を書き出す
    インタビューと営業の話からわかったことをまとめて、1人の人物像として文章にまとめます。名前・年齢・職業・生活スタイルなどを考えます。

  5. 設定したペルソナがどれくらい存在するか検証する
    作成したペルソナが実際にどれくらい存在するのか、アンケートや統計を使って調べます。あまりにも少ない場合は見直しが必要です。

  6. 実際に運用しペルソナを修正する
    設定したペルソナに向けてコンテンツを作ってみて、うまくいかなければ見直します。定期的にペルソナを改善していくことが大切です。

 

ペルソナは、年齢・仕事・家族構成・生活の様子などをできるだけ具体的に考えます。

 

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 STEP2:顧客の情報ニーズを把握する 

顧客が商品を知ってから購入を決めるまでには、さまざまな情報を必要とします。その「情報ニーズ」を正しく知ることが大切です。

  • ・商品を買った人にインタビューする
    購入のきっかけ、検討時に役立った情報、迷っていたポイントなどを聞き出し、どんな情報が有効だったのかを整理します。
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  • ・買わなかった人にも理由を聞く
    購入を見送った理由や不安に感じた点を把握することで、足りなかった情報や誤解されていた点を見直すヒントが得られます。

 

検討を始めた理由、決め手となった情報、迷っていたことなど、顧客の状況を幅広く聞きましょう。それによって、どんなコンテンツが必要なのかが見えてきます。

たとえば、「スロージューサー」の購入を検討している人の情報ニーズを時系列でまとめると次の通りです。

 

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 STEP3:カスタマージャーニーマップを作成する 

カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品を知ってから購入に至るまでの流れを整理したものです。「認知 → 情報収集 → 比較検討 → 購入」という各段階での顧客の気持ち、行動、必要な情報をまとめます。

 

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このマップを作ると、顧客にどのタイミングでどんな情報を届けるべきかがわかります。ファンになってもらうための工夫や、家族・友人の影響も意識して考えましょう。 

 STEP4:コンテンツマップを作成する   

 カスタマージャーニーマップにそって、各段階に合ったコンテンツを考えていきます。 

コンテンツマップの例

段階

顧客の行動例

必要なコンテンツの例

認知

・Instagramで「腸活」や「コールドプレスジュース」の投稿を見かける

・家族や友人が健康のために使っている話を聞く

・「毎朝の1杯が体調を変える?」という投稿

・ヘルス系インフルエンサーのコラムや動画

情報収集

・「スロージューサー 効果」「ジューサー おすすめ」で検索

・YouTubeで製品レビューを見る

・「スロージューサーとパワージューサーの違い」

・製品のしくみを説明する動画

比較検討

・複数メーカーの機種を比較

・口コミやレビューを読み比べる

・「人気4機種を徹底比較」

・「購入者の声」「使いやすさチェック表」

購入

・使い勝手や洗いやすさを確認し、予算と照らして選ぶ

・公式サイトやECモールで注文

・「今だけのキャンペーン」

・購入前のQ&A、アフターサポート案内

 

あわせて、「ベネフィットマップ」を作成していきます。

ベネフィットマップとは、顧客が商品やサービスから得られる「価値」や「利益(ベネフィット)」を整理・可視化した図のことです。

顧客視点で「なぜこの商品を選ぶのか」「どんな価値を感じるのか」を明確にしていきましょう。

 

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 STEP5:CTAKPIを設定する    

ここでは、顧客に「次の行動」を促すためにCTACall To Action /行動喚起)」と、その効果を確認するKPIKey Performance Indicator/重要評価指標)」を設定します。

 

項目

内容

CTA(行動喚起)

顧客に「このあと何をしてほしいか」を明確に伝える一言や仕掛け

・資料をダウンロードする

・問い合わせをする

KPI(重要評価指標)

目標がうまく進んでいるかを数字でチェックするための目印

・ダウンロード数

・ページの閲覧数

 

わかりやすい数値を目標にするのも大切ですが、「ファンを増やす」という本来の目的を忘れずに、必要な指標を選ぶようにしましょう。 

 

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STEP6:統合マップを作成する

ここまでに設定したペルソナ、情報ニーズ、コンテンツ、CTAKPIなどを1つにまとめたものが統合マップです。

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統合マップがあることで、コンテンツマーケティングの流れを確認しながら進めることができ、実行しやすくなります。

STEP7:エディトリアルカレンダーを作成する

「エディトリアルカレンダー」とは、どのコンテンツを、いつ、どのペルソナに届けるかを計画するスケジュール表です。

 

年間エディトリアルカレンダー:季節やイベントとの連動を考える
月間エディトリアルカレンダー:配信日や担当者を明記する

 

一覧でスケジュールを確認できるため、ペルソナへの情報の偏りや配信漏れを防ぐことができます。

 

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まとめ:7つのSTEPで、着実に進めよう

ここまで紹介してきた7つのSTEPは、それぞれがつながっていて、どれも欠かすことができません。あらためて、要点をふり返っておきましょう。

  • STEP1:ペルソナを設定する
     誰に向けて情報を届けるのかを明確にし、具体的な人物像をつくる。

  • STEP2:顧客の情報ニーズを把握する
     購入に至るまでにどんな情報が必要かを、実際の声から探る。

  • STEP3:カスタマージャーニーマップを作成する
     顧客の動きや気持ちを段階ごとに整理し、届ける情報を考える。

  • STEP4:コンテンツマップを作成する
     各段階に合わせて、どんなコンテンツを用意すればよいかを整理する。

  • STEP5:CTAとKPIを設定する
     次の行動を促す仕掛け(CTA)と、その効果をはかる指標(KPI)を決める。

  • STEP6:統合マップを作成する
     ここまでの情報を1枚にまとめて、全体を見渡せるようにする。

  • STEP7:エディトリアルカレンダーを作成する
     「誰に・何を・いつ伝えるか」をスケジュール化して運用を始める。

 

 すべてを一気にやろうとせず、できるところから小さく始めてみましょう。そして、改善を重ねながら「顧客にとって価値のある情報」を届けていけば、きっと成果につながります。

次回は、実際のコンテンツ制作の方法について解説します。 

より詳しい内容を知りたい方は、是非下記の書籍をご一読ください。

DX時代のコンテンツマーケティングDX時代のコンテンツマーケティング

  • 著者:Content Marketing Academy
  • サイズ:B5判
    定価:本体1,164円+税
    発刊日:2021年9月27日

    ISBN:978-4-600-00777-5

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  • 書籍紹介ページ
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執筆:今里

CONTENT MARKETING LAB ライター

※本記事は執筆及び画像作成にあたり、生成AIを利用しています。

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コンテンツマーケティング入門記事

新入社員のためのコンテンツマーケティング2025

コンテンツマーケティングの著名人に聞く

以下はアメリカでコンテンツマーケティングが盛り上がり始めた2012年に行ったインタビューの記事です。コンテンツマーケティング初期の記事なのでこれからコンテンツマーケティングについて勉強したい方に分かりやすい内容になっています。

 

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