新入社員のためのコンテンツマーケティング2025 (5) コンテンツマーケティングの4つの型 ―目的に合わせて「型」を選ぼう―

  最終更新日: 2025.08.06

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  • コンテンツマーケティングとは、見込み客に対して適切なコンテンツを提供することで、態度の変化を促し、最終的に購買へと導いていくマーケティング・コミュニケーションの手法です。本連載では、書籍『DX時代のコンテンツマーケティング』の内容を、初めての方にもわかりやすく紹介していきます。

今回はコンテンツマーケティングにおいて「どんなコンテンツを作ればよいのか?」という視点から、企業がよく活用している4つの型をご紹介します。

型を意識することで、目的に合った効果的なコンテンツが作れるようになります。これから初めてコンテンツ作成に取り組む方も、ぜひ参考にしてみてください。

内容は、書籍DX時代のコンテンツマーケティング』を参考にしています。

 コンテンツマーケティング の「4つの型」とは? 

コンテンツマーケティングには大きく4つの型があります。

  1. エデュケーショナル型(商品に関する知識を提供することを基本とする)
  2. コンテンツSEO型(コンテンツの質を重視し、検索からの流入を狙う)
  3. ネイティブ広告型(他メディアを借り、生活者との自然な出会いを作る)
  4. 面白コンテンツ型(「バズる」コンテンツで広く集客を狙う)

これは「企業が伝えたいこと」と「顧客が知りたいこと」の重なり具合によって変わります。

 

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どの手法を選ぶかは、以下のような観点から考えます:

  • ・顧客のニーズは顕在化しているか、まだ気づいていない
  • ・商品に直結した情報がいいのか、周辺情報から入ったほうがいいのか
  • 質を重視するのか、量を重視するのか
  • 検索行動が見込める商品なのか、そうでないのか

 

こうした視点を持つことで、単に「ウケそうなネタを出す」だけではなく、マーケティング全体の流れの中でどんな役割を果たすコンテンツかを考えられるようになります。型はそのための便利な「ものさし」と言えるでしょう。

ここからは、4つの型の特徴をそれぞれ解説していきます。

 ①ユーザーの疑問に答える「エデュケーショナル型」

特徴

  • ・顧客の疑問や困りごとに、コンテンツで答える型
  • ・すぐに商品を売り込むのではなく、役立つ情報を提供して信頼を得る

たとえば・・・

「ジューサーとミキサーの違いは?」という疑問に答える記事を用意し、知識が増えた読者が結果的に自社商品にたどり着くようにする。

ポイント

  • ・説明が必要な複雑な商品
  • ・購入までの検討期間が長い商品

エデュケーショナル型は、継続的な関係性づくりにも向いています。読者が「このブランドの情報は信頼できる」と感じることで、購入意欲やロイヤルティが高まっていきます。

 ② 質の高いコンテンツで集客する「コンテンツSEO型」  

特徴

  • SEO(検索エンジン最適化)を意識して集客を重視する型
  • ・顧客が検索しそうなキーワードに合わせてコンテンツを作る

たとえば・・・

音楽理論を体系的に学べるサイト「SoundQuest」のように、独自性のある豊富な情報を用意し、ニッチなキーワードで上位表示を狙う。

  • ポイント

  • ・ただのSEOテクニック頼みではなく、本当に役立つ内容を作ることが重要

コンテンツSEOはまず「購買ファネル」に応じた検索キーワードを調査することから始めます。購買ファネルとは、顧客が商品を知ってから購入するまでの一連のプロセスを「じょうご(ファネル)」の形になぞらえて表現したものです。 

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コンテンツマーケティングでもファネルに合わせてコンテンツの型や内容を変えていくと、より成果につながります。

 ③自然な流れで情報を伝える「ネイティブ広告型」  

■特徴

  • ・広告感を出さず、自然に情報を届ける
  • ・ユーザーが「これは広告だ」と意識しない形で関心を引き、行動を促す

■たとえば・・・

  • ・ニュースサイトの記事一覧に関連情報として表示された記事広告
  • ・SNSのフィードの中に自然に溶け込む投稿

■ポイント

  • ・まだ商品に関心が薄い潜在層にリーチしたいときに効果的

この型は話題性やタイミングが非常に重要です。時事ネタや季節性の高いテーマと絡めることで、より自然な形でユーザーの関心を引き付けることができます。

 ④多くの人の関心を引く「面白コンテンツ型」  

■特徴

  • ・商品やブランドにまつわる「面白い」コンテンツを作って拡散を狙う
  • ・一気に話題化、バズを狙いたいときに使う

■たとえば・・・

  • ブレンドテック社の「Will It Blend?」というシリーズ。iPhoneやビー玉をブレンダーで粉々にする動画が話題に → 売上7倍に。

■ポイント

  • ・面白さの種は商品そのものの中にある(商品に関係ない面白さだと「見られて終わり」になってしまう)

面白コンテンツ型は、短期間で多くの人に認知を広げたいときに力を発揮します。ただし、一過性のブームで終わらせない工夫も大切です。後続のエデュケーショナル型やSEO型コンテンツにつなげる流れも意識しましょう。  

 どう使い分ければいい?  

商品特性によって適した「型」は違います。図で見てみましょう。

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さらに、それぞれの型が「購買ファネル」のどこに効くのかも考える必要があります。

 

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ひとつの型だけを使う必要はありません。 目的に合わせて型を組み合わせて使うのが理想的です。

たとえば、面白コンテンツで認知を取って → エデュケーショナル型で詳しい情報提供 → 購入につなげる、という流れも有効。

さらに、既存顧客向けの関係構築やリピート購入促進にもエデュケーショナル型やSEO型は活用できます。新規だけでなく、長期的な顧客接点の形成にも型の活用が役立ちます。

まとめ

コンテンツマーケティングは 「型」を知ることで、もっと効果的に設計できます。

4つの型:

  1. エデュケーショナル型
  2. コンテンツSEO型
  3. ネイティブ広告型
  4. 面白コンテンツ型

「自社の商品・サービスにはどの型が合っているかな?」と考えながら、目的やターゲットに合わせて柔軟に使い分けていきましょう。

コンテンツの「型」を意識して選ぶことで、より成果につながるマーケティング活動が実現できますよ。 

 

次回は、「共感されるコンテンツのつくり方」について一緒に見ていきましょう。

 

より詳しい内容を知りたい方は、是非下記の書籍をご一読ください。

DX時代のコンテンツマーケティングDX時代のコンテンツマーケティング

  • 著者:Content Marketing Academy
  • サイズ:B5判
    定価:本体1,164円+税
    発刊日:2021年9月27日

    ISBN:978-4-600-00777-5

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執筆:今里

CONTENT MARKETING LAB ライター

※本記事は執筆及び画像作成にあたり、生成AIを利用しています。

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以下はアメリカでコンテンツマーケティングが盛り上がり始めた2012年に行ったインタビューの記事です。コンテンツマーケティング初期の記事なのでこれからコンテンツマーケティングについて勉強したい方に分かりやすい内容になっています。

 

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