新入社員のためのコンテンツマーケティング2025 (2) DXでコンテンツマーケティングはどう変わる?―「誰のために・なぜやるのか?」を考えよう―
コンテンツマーケティングとは、見込み客に対して適切なコンテンツを提供することで、態度の変化を促し、最終的に購買へと導いていくマーケティング・コミュニケーションの手法です。本連載では、書籍『DX時代のコンテンツマーケティング』の内容を、初めての方にもわかりやすく紹介していきます。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)によりコンテンツマーケティングの進め方も大きく変わりました。この記事では、DXの基本から、DXのコンテンツマーケティングへの活かし方をやさしく解説します。「誰のために、なぜやるのか?」という視点を身につけ、成果につなげるヒントをつかみましょう。
内容は、書籍『DX時代のコンテンツマーケティング』を参考にしています。
DXとは?
「DX(ディーエックス)」とは「デジタル・トランスフォーメーション」の略で、企業がテクノロジーを活用してサービスやビジネスのやり方を大きく変えていくことを意味します。
たとえば、
- ・紙の書類だった申込書をオンライン化する
- ・実店舗販売だった商品をネットで買えるようにする
といった変化も、DXの一部です。
このDXの流れは、コンテンツマーケティングにも広がっています。
マーケティングにおけるツールの進化
コンテンツマーケティングは、もともとウェブサイトやSNS、メールなどと相性がよい手法です。
現在は次のような便利なツールが多く存在しています。
・メール配信ツール
・アクセス解析ツール
・チャットボット
・CRM(顧客管理システム)
これらは「マーテック(MarTech)」と呼ばれ、クラウド型のソフトが多く、手軽に始められるのも魅力です。
以前はこうした仕組みを作るのに多額の費用や専門知識が必要でしたが、今では小さな企業でも活用しやすくなっています。
さらに、最近では専門知識がなくてもツールを設定できる仕組みも増えています。これにより、現場のマーケターが自分たちで改善を進めやすくなりました。
導入ハードルが下がったことで、社内で小さくテストをして改善しながら展開していくやり方も一般的になってきました。少人数のチームでも、目的を持ってツールを活用すれば、大きな成果につながる時代です。
DXはツール導入だけでは終わらない
ただし、ここで大切なのは、ツールを入れただけではDXではないということ。
- ・誰に向けるか
- ・何を届けるか
- ・どんな体験を提供するか
という「目的」が決まっていないと、どんなに高機能なツールでも意味がなくなってしまいます。
たとえば、
・ツールを導入したけど、送るメールの内容が決まっていない
・顧客が求めている情報とズレている
こういったケースでは、効果が出ないどころか、かえって混乱を招くこともあります。
逆に言えば、「本当に求められている体験とは何か?」を考えるところからスタートできれば、ツールの活用は非常に強力な武器になります。
DXを進めるにはどうしたらいい?
では、ツールを入れるだけでは不十分だとしたら、どうすれば本当に効果的なDXができるのでしょうか?ここで役立つのが、「戦略」から考え直すという発想です。
コンテンツマーケティングでは、ユーザー視点を大切にするという取り組みが行われてきました。それをもっと上流のビジネス戦略にまでつなげていこうというのが、次に紹介する「DXループ型」という考え方です。
「DXループ型」の考え方とは?
「DXループ型」とは、デジタルの力を使って会社や仕事をよくしていく方法を、くり返し続けていく考え方です。一度やって終わりではなく、少しずつ直して、どんどん良くしていくのがポイントです。
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という一連の流れを指します。
この流れのポイントは、
・最初に「ツールありき」ではなく、「顧客の体験」から考える
・体験を設計したうえで、必要な情報やツールを選ぶ
といったことです。
具体的な例としては、以下のようものがあります。
・これまで「店舗でしか買えなかった商品」を、オンライン購入に変える
・その際に「不安を解消するQ&Aページ」「使い方ガイド動画」などのコンテンツを用意する
また、顧客体験をより深く理解するために、「ペルソナ(理想的な顧客像)」や「カスタマージャーニーマップ(購買行動の図式)」を作成し、どのタイミングでどんな情報が必要かを整理します。
これにより、マーケティング全体の精度が高まり、無駄のない情報設計が可能になります。
DX成功のカギは「戦略」と「チーム連携」
ここまで見てきたように、DXを成功させるには「目的」と「戦略」が不可欠です。
特にコンテンツマーケティングにおいては、顧客が求めている情報を的確にとらえ、それをどのように届けるかを計画的に設計する必要があります。そのためには、デジタルツールに頼るだけでなく、顧客の立場に立った思考が求められます。
さらに、社内の関係者と目的を共有し、部門をまたいだ連携を意識することも重要です。たとえば、マーケティング部門が設計したカスタマージャーニーマップを営業やカスタマーサポートとも共有すれば、顧客との接点すべてに一貫性が生まれます。
こうしたチーム全体での連携が、顧客にとって違和感のないスムーズな体験を生み出すことにつながります。
まとめ:大切なのは「誰に、なにを、どう届けるか」
- ツールはあくまで手段
- 大事なのは「お客様にとっての価値」をどう届けるか
- DXを成功させるには、顧客の視点で考えることが最優先
「DXループ型」の考え方を取り入れることで、お客様の視点からサービスを設計できるようになり、結果として、より深い信頼関係を築くことができます。
技術が進んでも、「誰のために、なにを届けるのか」という基本を忘れないことが、DX時代のマーケティングでは特に重要です。
次回は、「コンテンツマーケティングの具体的な始め方」について一緒に見ていきましょう。
より詳しい内容を知りたい方は、是非下記の書籍をご一読ください。 ![]() |
執筆:今里
CONTENT MARKETING LAB ライター
※本記事は執筆及び画像作成にあたり、生成AIを利用しています。
コンテンツマーケティングラボについて
コンテンツマーケティング入門記事
- コンテンツマーケティングとは何か?
- 基本コンセプト”Like a Publisher”
- コンテンツマーケティングの歴史
- コンテンツマーケティングの情報構造(前編)
- コンテンツマーケティングの情報構造(後編)
- 「普及曲線」からコンテンツマーケティングを考える
- 今さら聞けない!コンテンツマーケティングの基本の「キ」
- コンテンツマーケティングとは?7つのステップ
- コンテンツマーケティングの4つの型
新入社員のためのコンテンツマーケティング2025
コンテンツマーケティングの著名人に聞く
以下はアメリカでコンテンツマーケティングが盛り上がり始めた2012年に行ったインタビューの記事です。コンテンツマーケティング初期の記事なのでこれからコンテンツマーケティングについて勉強したい方に分かりやすい内容になっています。
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