CMD2025レポート第4弾:5年間で2,000記事を生んだSHIFT技術ブログの仕組み化の正体
最終更新日: 2026.02.08

この記事でわかること
1. なぜSHIFT技術ブログは、少人数体制でも5年間で2,000記事を生み出せたのか
2. 個人の頑張りに頼らず、量と質を両立させた「仕組み化」の具体像
3. 仕組み化が効率化ではなく、人の熱量と文化を育てる装置になった理由
▲SHIFT技術ブログは少人数の運営体制でありながら、2,000本以上の記事を公開
SHIFTグループが運営する技術ブログは、5年間で2,000本を超える記事が公開され、500人以上の書き手が参加しています。一方で、この規模を支える運営体制は、現在も8名という最小限の人数に抑えられています。
広報の野澤さんは、この数字が示しているのは個々の頑張りや根性論ではないと語ります。重要なのは、いかに「仕組み」として設計してきたかという点です。
本記事では「技術ブログ成功の裏側にあった仕組み化とは何だったのか」をひもといていきます。
登壇者のプロフィール
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野澤知子
IT企業の広報を中心に多様な働き方を経て、2019年7月株式会社SHIFTへ入社。 経営者と従業員の交流を生み出す「金曜社内ラジオ」や、技術ブログ(公式note)などオリジナルの発信系コンテンツを立ち上げから担当。 プライベートは、ラグビー観戦と子供のタグラグビーの活動サポートに夢中! 寺山ひかり
行政、メガベンチャー、セキュリティスタートアップの広報を経て、2024年6月に株式会社SHIFTへ入社。 事業・技術広報として、SHIFTの事業・サービスに関する社内外発信に取り組むとともに、DevRelのメンバーとして「SHIFT EVOLVE」などの主催イベントやグループの技術トピックに関する発信を担当。 趣味はプロレス観戦! |
1. すべては「一人運営の限界」から始まった― 仕組み化は理想ではなく危機対応だった
SHIFT技術ブログの運営は、立ち上げ当初、実質的に一人で回す体制から始まっていました。広報IR部の野澤さんによれば、当初は、記事の受け取りから公開対応までを一人で担う体制でも運営は成立していたようです。しかし、発信が積み重なり、記事数や書き手が増えるにつれて、その進め方では維持しづらくなっていきました。
▲記事数や関係者の増加に伴い、一人での運営が成り立ちにくくなっていきました。
この点について寺山さんは、運営が属人的になっていた状態そのものが課題だったと述べていました。
作業量の増加に加え、誰がどこまで判断するのかが整理されていない状況が続くことで、運営の前提が見直される必要がある状態だったということです。
こうした状況を受けて、SHIFT技術ブログの運営では、「一人で回す」ことを前提とした体制そのものを見直す必要がある、という認識が共有されるようになっていきました。
仕組み化という言葉は、理想論としてではなく、このままでは回らなくなるという状況に向き合う中で、現実的な選択肢として浮かび上がってきたものだったようです。
2. SHIFTが最初にやった「仕組み化」は何だったのか ― 作業を人から切り離す
▲運営を属人化させないために進められたのが作業や判断の切り分けです。
人が担う役割と、そうでない部分を分けて考える進め方が取られました。
SHIFT技術ブログの運営において、最初に取り組まれた仕組み化は、運営を特定の人にひもづけたまま進める前提を見直すことでした。発信を続ける中で、作業量や判断が一人の担当者に集中していた状態を解消する必要があったためです。
具体的には、原稿の受け取りから公開までに発生していた運営作業を洗い出し、工程ごとに分解して整理していきました。執筆、内容確認、入稿、公開対応といった作業を一つずつ切り分け、「誰がやるか」ではなく「どんな作業があるか」を基準に運営を捉え直しました。
この整理によって、原稿内容の判断が必要な工程と、定型的に進められる作業とを分けて考えられるようになりました。複数人が関われる構造を整えるための土台づくりとして、作業を分解することが仕組化のための第一歩だったようです。一人で抱え込まず、得意な人が得意な工程だけを担うことで、運営全体が安定し始めたと語られていました。
3. 仕組み化が「量」だけでなく「質」を守った理由 ― レビュー設計と役割分担
▲発信量を維持しながら品質を保つために設けられたのがレビュー体制です。
技術的な確認と、読みやすさや見せ方の確認を分業化しました。
記事数が増えると、次に課題になるのが品質です。この点について野澤さんは、自分自身がエンジニアではないため、技術記事の正しさを判断できないことに強い不安があったと振り返っていました。
そこで導入されたのが二段階のレビュー体制です。 技術的な内容については現場の有識者が確認を担当し、表現の分かりやすさや構成、タイトル、公開後の見せ方といった点は、広報や運営が確認するという形です。
こうした役割分担によって、技術的な品質とメディアとしての品質が切り分けて管理され、観点ごとの確認が可能になります。すべてを一人の判断に委ねるのではなく、責任を分けることで、一定の基準を保った状態で記事を公開できる体制が整えられていきました。
4. 見える化が「モチベーション設計」になった― 数字は管理のためではなく、応援のためにある
▲実績データを共有可能な情報として公開することでモチベーションアップにつながったようです。
記事数や執筆本数、閲覧数といった実績データは、もともと運営側が把握するための管理情報でしたが、集計の手間が減ったことで、書き手自身も確認できる形へと広がりました。
この点について野澤さんは、NOTE上の実績データをCSVとして取得し、データベースと連携させることで、ダッシュボード上で記事の実績を確認できる状態を整えていると述べていました。誰がどれだけ書いているのか、どの記事が読まれているのかといった情報を、運営側だけでなく書き手自身も確認できる形にすることで書き手のモチベーションアップにつながったようです。
5. 仕組み化しても「人の熱量」は失われなかった― むしろ「熱量が循環する余白」が生まれた
▲書き手が関わりやすくなるための小さな後押しを運営の中に組み込まれています。
仕組み化という言葉から、冷たく合理的な運営を想像する人もいるかもしれません。そうならないために、ネタの共有やテンプレートの提供といった小さなサポート、連載マガジンによる発信の場づくり、アドベントカレンダーのようなリレー形式の企画、書き手同士が交流できる場の設計など、小さな取り組みが重ねられていきました。
こうした取り組みの成果もあり、発信に踏み出すまでのハードルが下がり、「書いてみようかな」と感じるきっかけが生まれ、仕組み化を進めた後も、書き手の参加と関与が続く運営が保たれたようです。
まとめ:仕組み化とは「農業」である― 一度作って終わりではない
最後に野澤さんは、技術ブログの運営を農業にたとえていました。まずは土を耕え、発信しやすい環境を整え、書き手という種をまきます。その後、状況を観察しながら手入れを続け、少しずつ改善を重ねていく。この積み重ねこそが、長く続くブログ運営を支えているのだと語られていました。
この「農業」という例えは、まさにコンテンツマーケティング的な視点そのものだといえます。短期的な成果を刈り取ることを目的とするのではなく、土壌を整え、関係性を育て、時間をかけて価値が蓄積されていくことを前提にしているからです。すぐに結果が見えなくても、耕し続けることで、やがて発信が文化となり、組織の資産として根付いていく。この考え方は、コンテンツマーケティングが本来目指す姿と重なります。
仕組み化は短期的な効率化のための施策ではありません。長期的に文化を維持し、育て続けるための装置です。SHIFTグループ技術ブログが5年間にわたり拡張を続けてきた背景には、この農業的、そしてコンテンツマーケティング的な視点が一貫してあったのだと理解できる内容でした。
▼本セッションの内容に興味を持たれた方は、ぜひ実際の動画もご覧ください。
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執筆:ピーター
CONTENT MARKETING ACADEMY リサーチャー
※本記事は執筆及び画像作成にあたり、ChatGPTを利用しています。
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