CMD2025レポート第3弾:SEO・ナーチャリングなどBtoBコンマケ現場を語りつくす

  最終更新日: 2026.02.01

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  • この記事でわかること
    1.AI検索で流入が減ってもSEOを続ける理由
    2.生成AIの使いどころとオリジナリティの分担とは
    3.メールや事例をリード獲得と育成に繋げる方法

AI検索の普及によって検索からの流入に変化を感じたり、メールの効果が以前ほど見えにくくなったと感じたりする場面が増えています。ホワイトペーパーも似た内容が多く、差がつきにくいと感じることもあるでしょう。

本セッションでは、株式会社A-can代表の白砂ゆき子さんと、インフォコム株式会社で複数事業のリード獲得と育成に取り組む栁原良子さんが登壇し、SEO、生成AI、メール、ホワイトペーパー、原体験コンテンツ、ブランドまで、現場で試してきたことを7つのテーマに沿って語り合いました。

理論ではなく泥臭い実践として語られる内容が多く、明日からの打ち手を見直すヒントが詰まった回になっています。全部で7つのテーマについて議論が行われましたが、本レポートでは、その中から特に多くの担当者にとって実務のヒントになる5つのテーマを中心に紹介します。

登壇者のプロフィール

白砂ゆき子
株式会社A-can 代表取締役
神戸商科大学(現:兵庫県立大学)商経学部 国際商学科 卒業。新卒3年目(2000年)に転身してウェブ業界に。制作会社→ポータルサイト→コンテンツプロバイダー→ECと経験を積んで、2014年FaberCompanyに入社。SEO・コンテンツ施策のコンサルタントを4年半経験して、2018年に独立。20社以上のオウンドメディア・コンテンツの企画・戦略設計を行った経験を持つコンテンツマーケティング専門家。検索クエリなどのデータからユーザーの意図を読み取り、サービスへと繋げるコミュニケーション設計を得意とする。(※現在も業務委託にてFaberCompany・MIERUCAの事業に参加しています)
 
栁原良子 
インフォコム株式会社
エンタープライズサービス事業本部マーケティング本部 マーケティング室リードマネジメントチーム課長
デジタルハリウッド卒業後、FM局にてキャリア公式サイトの企画・制作ディレクターとしてWEB業界でのキャリアをスタート。2016年に大手法律事務所への入所をきっかけにコンテンツマーケティングに出会う。その後、WEBディレクターからマーケターへのキャリアチェンジを経て、2019年にインフォコム株式会社に入社。担当者1名で介護業界に特化したオウンドメディアを立ち上げ、リード獲得に貢献。現在はマーケティング室のチームリーダーとして、複数事業のオフラインも含めたマーケティング業務全般に携わる。

1. コンテンツSEOはまだ効果がある?AI検索が広がる中での判断

1-Jan-29-2026-01-13-24-2287-AM▲AIに最適化するというよりも、情報がほしい人に最適化することが変わらず大事。
検索キーワードに向けた対策より、探している人への情報発信を止めてはいけないと語りました。


AIによる概要表示が一般化し、ハウツー系や基本情報系のコンテンツはクリックが起きにくくなっています。検索結果からの流入については、順位自体は大きく変わっていないものの、流入数は減少しているというデータが示され、現場で起きている変化が具体的に共有されました。

しかし、お二人の結論はシンプルで「コンテンツSEOは続けるしかない」というものでした。
 ・現段階では、検索エンジン経由の流入のほうがAIからの流入よりまだ多い
 ・AI側の技術が日々変化し、短期的な最適化が読みづらい
 ・だからこそ、テクニックよりも検索する人のニーズに応える姿勢を強める
AIに最適化するより、「欲しい人に最適化する」ほうが大事だという判断です。

検索キーワード起点ではなく、人起点で設計する。ここが、今の変化局面での軸になっていきます。


2. 生成AIはどこまで使う?「使い方の距離感」とは

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▲AIに何でも任せるのではなく、サポート役として使う。
「オリジナリティをAIに任せてしまわないなら、どんどん使っていきたい」という共通意見が示されました。


生成AIの話題では「使い方の距離感」が焦点になりました。栁原さんはAIを「判断を助けるパートナー」と捉えます。壁打ち相手として使い、視点を広げる。時間短縮だけでなく、発想を拡張するために使うという視点です。
白砂さんは「コンテンツ制作の入口と出口部分は自分で考えて、その中間に生成AIを利用する」と語りました。

まず自分で骨組みを作り、AIにも考えさせ、うまくいく部分だけ採用する。殴り書きした文章を読みやすく整える、校正やチェックに使うなど、工程ごとの使いどころを示しました。

重要なのは、オリジナリティをAIに任せないという共通認識です。効率化のために使う。判断は人が担う。らしさを残すための最後の調整は人が持つ。だから使える範囲が広がる、という考え方です。


3. メールってまだ効果ある?質で勝負するナーチャリング設計

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▲メールは有効ですが、回数よりもコンテンツで勝負することが肝心。
オンラインセミナーへの案内など、メールで次の行動へつなげる設計が大切です。


メールは古いと思われがちですが、栁原さんは実務においてメールの手応えを感じています。
たとえば、資料請求した人に対し、メールで接触を重ねてトライアルへ誘導し、そこから契約につなげる流れです。メール単体の開封率などは高い数字ではないとしても、トライアルへの転換、その先の契約につながる設計ができると強みになります。

また、大企業向けの高単価商材では、すぐのコンバージョンにはつながりにくい一方で、決裁層とも継続的に接点を持てる価値があります。セミナー誘導などと組み合わせ、第一想起を取りに行く施策として捉えている点も印象的でした。

白砂さんも「配信回数を増やすより品質勝負になってきている」と補足します。訪問したくなるコンテンツやセミナーなど、メールが次の行動へつなぐ受け皿が必要です。メール単体ではなく、全体設計の中で効かせるという目線を示しました。


4. 効果的なリード獲得コンテンツは?課題解決の道筋とマイクロコンバージョン

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▲製品資料ではなく、その手前で課題解決型コンテンツを提供するのが効果的。
サービスに直結する課題解決型eBookや無料セミナーはおすすめとのこと。


リード獲得で強調されたのは、「読み手の課題に寄り添うこと」でした。
栁原さんは、「既にERPを導入している企業が多い」という前提を踏まえ、
・リプレイスで失敗したくないという不安に焦点を当てた記事を用意する
・そこで注意点や考え方を示したうえで、次の手順としてホワイトペーパーを置く
・ユーザーの思考プロセスに合わせたステップ設計が、獲得を左右する
というポイントを示しました。

白砂さんも似た発想で、「いきなり資料請求ではなく、担当者の悩みに刺さるハウツー記事や事例集を手前に置く考え方」を共有しました。少ない見込み顧客でも、その後のステップメールでトライアル獲得につながるケースがあります。ここでも、獲得と育成を分けずに設計する姿勢が重要です。
お二人は「製品に直結する課題解決型のコンテンツは強い」という見解を示しました。

まず不安をほぐす。道筋を示す。次に深い資料へ進んでもらう。打ち手は違っても、順番の設計には共通点がありました。

 

5. 原体験コンテンツと事例で差別化する。最後はブランドへつながる。

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▲BtoB、BtoCに関係なく、足を運んで作るコンテンツは必ず価値があると語ります。
問題は、どう届けるか。リードがいないと届けにくいため、リード獲得も大事と結論づけました。


BtoBにおける原体験コンテンツについて、セッションでは二つの異なる視点が示されました。
まず、栁原さんは、企業の成功事例が持つ役割について触れています。BtoB商材では、導入に失敗できないという心理的なハードルが高く、検討が進むほど「本当に大丈夫なのか」という不安が強くなります。そうした場面で、他社の導入事例は重要な判断材料になります。

どのような背景や課題があり、どんなプロセスを経て成果につながったのかを具体的に示すことで、検討を一歩前に進める安心材料として機能していると説明されました。
一方、白砂さんは、原体験が果たす役割について語っています。
概念やノウハウを整理しただけの記事では、読み手が「わかったつもり」で終わってしまうことがあります。そこで重要になるのが、「なぜそう考えるようになったのか」「実際の現場で何が起きたのか」といった個人の原体験です。

白砂さんは、自身が執筆した検索上位を長く維持している記事を例に挙げながら、原体験の部分を読んだことで、読み手が腹落ちし、理解が深まっているのではないかと話していました。

このように、栁原さんは企業の成功事例を通じて検討を後押しする役割を、白砂さんは原体験によって理解と納得を深める役割を、それぞれ提示しています。
生成AIによって情報整理や文章作成が容易になった今だからこそ、こうした実体験や具体的な事例が、読み手の意思決定や理解を支える重要な要素になっていることが示されました。


まとめと感想

AI検索の登場によって検索流入の変化を感じたり、メールやホワイトペーパーの成果が以前ほど見えにくくなったと感じたりして、これまでのやり方に迷いを感じている方も多いのではないでしょうか。今回のセッションは、そんな不安を、現場の判断軸でほどいていく回でした。

印象に残ったのは、変化に焦らず、検索する人のニーズに向き合う姿勢を強めるという一点が、SEO、生成AI、メール、事例のすべてを貫いていたことです。
生成AIは、作業を早めたり、発想を広げたりするために活用する。一方で、何を伝えるのか、最終的にどんな行動や理解につなげたいのかという判断は、人が担う。役割を明確に分けているからこそ、生成AIを一時的な流行としてではなく、継続的な編集パートナーとして使い続けられるのだと感じました。

また、リード獲得とナーチャリングを別々の施策として捉えるのではなく、記事、ホワイトペーパー、メール、事例をひとつの流れとして設計する視点が共有されました。派手な一発逆転ではなく、読み手の不安や検討プロセスに沿った順番を丁寧に作ることが、結果として成果とブランドの両方に効いてくる。現場に戻って設計を見直したくなる内容でした。


 

▼本セッションの内容に興味を持たれた方は、ぜひ実際の動画もご覧ください。

白砂さん柳原さん_本編サムネ

【CMD2025】SEO・ナーチャリングなどBtoBコンマケ現場を語りつくす

 

執筆:今里
CONTENT MARKETING ACADEMY ライター
※本記事は執筆及び画像作成にあたり、生成AIを利用しています。

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