どっちを選ぶ?ChatGPTとCanvaの画像生成を徹底比較!
エンジニアならではの視点で、海外のコンテンツマーケティングの世界に斬り込み、毎回新たな発見を共有していく「元エンジニアから見たコンテンツマーケティング」シリーズ。今回は、注目されている画像生成ツールであるChatGPTとCanvaを実際に使用し、それぞれの特性と実用性について比較していきたいと思います。
ChatGPTとCanva:カバー画像制作での違いを探る
ブログ用のカバー画像をChatGPTで作成していると、思わぬ“サプライズ”に遭遇することがよくあります。たとえば、意図しない文字が間違ったスペルで入り込んだり、想像以上に抽象的で複雑なデザインが生成されたりすることも。これが面白く感じる場合もありますが、サムネイルとして視認性やシンプルさを重視する際には不便さを感じることもあります。
そんな時、救世主のように現れたのがCanvaです。驚くほど簡単に、シンプルで魅力的なカバー画像を作れるこのツールのおかげで、やっと自分の理想に近いカバー画像を簡単に作れるようになり、驚きました。
どちらもAIを活用したツールですが、画像生成のアプローチや仕上がりには大きな違いがあるようです。そこで実際に両ツールを使用し、同じプロンプトでどのような結果が得られるのかを具体的な画像例を通じて比較。その長所と短所を明らかにしながら、目的や状況に応じた効果的な使い分けについて考察していきたいと思います。
ChatGPTの特徴
ChatGPTは、簡単かつ迅速に画像を生成できる点が大きな特徴です。プロンプトを入力するだけで即座に結果が得られ、試行錯誤しながら短時間でアイデアを形にできます。ただし、プロンプトのキーワードが正しく解釈されず、無意味な記号が出力されることがあるなど、テキストの処理が弱い点が課題です。特に複雑な指示や細かい文字入力では、意図通りの結果が得られないケースも少なくありません。一方で、生成された画像の修正をその場で依頼できる点は大きな強みです。同じプロンプトを再入力する必要がないため、繰り返し調整する際に非常に便利です。
Canvaの特徴
Canvaは、テキストの追加や編集が簡単にできるデザインツールです。マジック生成(Text to Image)機能を使えば、人間らしい高品質な画像を直感的に作成でき、記号が混入する心配もありません。生成された画像へのテキスト追加や修正もスムーズに行えます。ただし、一度生成した画像を修正する場合は、新たにプロンプト全体を再作成する必要があり、調整に時間がかかることもあります。それでも、デザイン性や完成度の高さから、特に洗練されたビジュアルを求める場面で非常に有効なツールです。
ChatGPT vs Canva画像比較
それではさっそく、ChatGPTとCanvaを用いた画像生成の比較実験を始めてみましょう!今回の比較では、3つの具体的なプロンプトを使い、それぞれのツールで生成された画像を詳しく見ていきます。
◆画像比較実験1
プロンプト:
“AI and the future of content marketing”, in simple, realistic and humanly tone with a focus of teamwork 「AIとコンテンツマーケティングの未来」というテーマ:シンプルで現実的なトーンで、人間らしさを重視したチームワークに焦点を当てて |
ChatGPTで生成した画像
Canvaで生成した画像
感想: まずChatGPTですが、AIを想起させるロボットが悪目立ちし、肝心のチームワーク感がうまく表現されていないと感じました。また、テキストをそのまま使用していたため、ビジュアルとしての説得力やインパクトに欠けていました。一方で、Canvaで生成された画像は、より人間らしさが感じられるデザインとなっており、テーマに沿ったチームワークの要素が効果的に表現されていました。さらに、明るくポジティブな未来を感じさせる要素も含まれており、全体として非常に適切な選択肢だと感じました。この比較のポイントは「人間らしさ」でしたが、その観点から見ると、Canvaが大きくリードしていると感じました。
◆画像比較実験2
プロンプト:
A photorealistic image of a hiker walking on a natural trail, heading towards the highest peak of a landscape with five distinct mountain peaks. The peaks should be prominent, surrounded by dramatic terrain, under a sky with soft sunlight ハイカーが自然のトレイルを歩き、5つの独特な山頂を持つ風景の中で最も高い山頂に向かっている写真のようなリアルな画像。山頂は際立っており、劇的な地形に囲まれ、柔らかな陽光が降り注ぐ空の下で描かれるシーン |
ChatGPTで生成した画像
Canvaで生成した画像
感想: 過去の記事「コンテンツマーケティングとマーケティングオートメーションの関係を考える」のカバー画像を想定して作成してみました。この画像は、コンテンツマーケティングの進化を象徴する5つの山に挑むマーケターを、自然のトレイルを歩くハイカーとして表現しています。
この比較では、「5つの山頂を明確に描くことができるかどうか」が判断ポイントでした。ChatGPTが作成した画像は、山々の劇的な地形と自然のトレイルを歩くハイカーという要素をしっかりと反映していましたが、山頂の数も明確でなく、また山頂を結ぶために抽象的な線を使用しており、この表現が「5つの山頂」を明確に描写しているとは言えませんでした。
一方、Canvaが作成した画像は、シンプルかつ自然でわかりやすいデザインで、劇的な地形と自然の雰囲気を持つ5つの山頂をリアルに描写していました。「5つの山頂を明確に描く」という比較の判断ポイントにおいては、Canvaが優れていると言えると思います。
◆画像比較実験3
プロンプト:
With topic "Breathing new air to existing contents by remixing” create an image using a design with soft color tones that evokes a sense of classical music
柔らかな色合いで、クラシック音楽を連想させるデザインで「既存のコンテンツに新たな息吹を吹き込むリミックス」をテーマに |
ChatGPTで生成した画像
Canvaで生成した画像
感想: 最後に、実際に以前のブログ記事で使用した画像を紹介します。
プロンプトによる主な指示は「クラシック音楽を連想させるデザイン」であることでした。ChatGPTが生成した画像はやや抽象的で複雑でしたが、Canvaはブログのテーマであるリミックス要素を取り入れつつ、私の期待に沿う画像を作成してくれました。
実はこの画像こそが、カバー画像作成にはCanvaが良いかもしれないと考えるようになったきっかけの画像でもあります。
ChatGPTとCanvaの特性を活かした使い分けが重要
3つの画像作成の比較を通じて、ChatGPTは迅速な画像生成や修正能力に優れ、Canvaはデザイン性と人間らしさで突出している点が明らかになりました。
私自身、洗練されたリアリティや人間味のある画像が必要な際にはCanvaを選びますが、アイデア出しや素早い修正が必要な場合にはChatGPTを活用します。本記事の目的は「どちらが優れているか」という勝者を決めることではありません。それぞれのツールの特性を理解し、用途や目的に応じて適切に使い分けることが大切です。
デザインプロセスは非常に主観的であり、「良い画像」の定義は個々のニーズや価値観によって異なります。そのため、どちらか一方に優劣を付けるのではなく、両者の特性を活かして使うことで、より効果的なクリエイティブ体験を実現できます。
読者の皆さんもぜひ、ChatGPTとCanvaの両方を試してみて、自身のニーズに合った方法を見つけてください。AI技術の可能性を活かし、新しい視点を取り入れたデザイン体験を楽しんでいただければと思います。
この記事全体は「実験」の場でもありました。皆さんにお届けした内容はもちろん、どのように作られたかも含めて、AIリミックスの可能性を証明するデモンストレーションとして取り組んでみました。
そしてここで提案です。今度はぜひ、みなさんが自分自身の「リミックス」を作ってみてください。
AIと共に、新たなコンテンツの地平を切り拓くその挑戦は、きっと思いがけない発見をもたらすと確信しています。
執筆:ウー・ピーター
CONTENT MARKETING ACADEMY リサーチャー
※本記事は執筆及び画像作成にあたり、ChatGPTを利用しています。
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