AIで過去のコンテンツに新たな命を吹き込む方法4:トレンドアルバムのように
エンジニアならではの視点で、海外のコンテンツマーケティングの世界に斬り込み、毎回新たな発見を共有していく「元エンジニアから見たコンテンツマーケティング」シリーズ。今回は、AIを活用し、ニュースルームの手法を取り入れて最新のトレンドや話題を反映させ、トレンドを生み出すコンテンツ戦略について取り上げます。
前回のブログでは、AIを活用したリミックス方法の3つ目を取り上げ、社内外に存在するまだ文章化されていない知識を活用してナレッジベースを構築する手法について詳しく解説しました。
専門家の知識を集約し、それを顧客や市場のニーズに応じた情報として提供することの重要性が理解できたと思います。
今回は、本連載で引用している以下の記事で紹介されている、リミックス4について詳しくみていきましょう。
参考にした記事:
How To Turn Old Content Into a New Work of Art With an AI Assist
リミックス手法4:トレンドを活用したコンテンツ戦略
リミックス4は、AIを活用し、ニュースや話題の記事を取り入れながら、最新のトレンドを反映したコンテンツを作成する手法です。注目されたトピックに自社の独自視点を盛り込み、新たなトレンドを生み出すコンテンツ戦略が実現できます。
このプロセスは、時代の潮流に乗った「トレンドアルバム」を制作するようなものです。最新のトレンドや話題を素早く取り入れつつ、未来を見据えた視点で情報を組み合わせていきます。
異なるニュースや記事をAIの力でリミックスし、タイムリーで即時性のあるコンテンツを作り出すことで、オーディエンスにとって価値ある新しい作品が生まれます。具体的には以下の2ステップでコンテンツを作成していきます。
リミックス4のステップ1として、トレンドや話題となった記事を分析し、自社のコンテンツに利用できそうな洞察を引き出します。
Content Marketing Instituteの調査記事、B2B Content Marketing Benchmarks, Budgets, and Trends: Outlook for 2025 で紹介されている、「今年の調査では、AIによるコンテンツ作成(39%)が新たな投資分野として追加された」という話題を実験素材として利用し、記事で紹介されているプロンプトを適用してコンテンツを作成していきます。
ステップ1のプロンプト:
マーケティングエージェンシーのコンテンツマーケターとして、「今年の調査では、AIによるコンテンツ作成(39%)が新たな投資分野として追加された」という最近の洞察に基づき、コンテンツを作成してください。この調査結果がB2B戦略に与える影響を探るため、戦略的なストーリーの視点を3つ開発してください。各視点は、マーケティングリーダーを対象としたソートリーダーシップ記事、意見記事、または批判的分析に適した内容である必要があります。また、出典として、Content Marketing Instituteによる「B2B Content Marketing Benchmarks, Budgets, and Trends: Outlook for 2025 [Research]」という出典を明記してください。
下線の箇所は今回選んだ焦点内容に合わせたように編集しましたが、必要に応じて調整してみてください。
上記のプロンプトを入力すると、戦略的なストーリーの視点を提案してくれました。
ステップ1の実験結果:戦略的ストーリー案
これらの視点は、マーケティングリーダーに対し、AIによるコンテンツ作成という新たな投資領域を深く理解し、どのようにビジネスに活用するかについての洞察を提供するのに役立ちます。 |
次に、ステップ2として、生成AIが作成した戦略的ストーリー案の中から視点を一つ選び、専門家と協力して、多様な視点を融合させたコンテンツを作成していきます。
AIが生成したインサイトと専門家の意見を組み合わせることにより、オーディエンスの関心や懸念に直接訴えかける魅力的なコンテンツを作り上げることができます。
実験素材として、AIがアウトプットした戦略的ストーリー案の中から「AIによるコンテンツ作成がB2Bマーケティングに新たな競争優位をもたらす理由」を選び、専門家に意見を求めるためのメールテンプレートを作成します。
ステップ2のプロンプト:
「AIによるコンテンツ作成がB2Bマーケティングに新たな競争優位をもたらす理由」という独自の視点を活用し、組織内の3人の専門家からのインサイトを統合した意見記事の提案を行ってください。各専門家に対し、戦略やアドバイス、またはお客様へのヒントに関連する短いコメントを依頼する簡潔なメールを作成してください。トピックの緊急性を強調するため、48時間以内の期限を提示してください。 専門家—製品担当VP、インサイト担当責任者、戦略担当VP—は重要な役割を果たします。提案には、Content Marketing Instituteの記事のタイトル「B2B Content Marketing Benchmarks, Budgets, and Trends: Outlook for 2025 [Research]」からのインサイト、特に「AIによるコンテンツ作成は、効率的なスケール化やカスタマイズ、リアルタイムデータの活用による最適化を通じて、B2Bマーケティングにおいて競争優位をもたらす重要な戦略となる」という洞察を必ず引用し、その信頼性を確保してください。
下線の箇所は今回の選んだ視点に合わせて編集しましたが、必要に応じて調整してみてください。
上記のプロンプトを実行すると、それぞれの専門家にコメントを依頼する簡潔なメールテンプレートを作成してくれました:
ステップ2の実験結果:専門家コメント依頼用メールテンプレート
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記事では触れられていませんが、専門家からのコメントが得られたならば、それらのコメントと出典元の記事をChatGPTに読み込ませて、自社ならではのオリジナルコンテンツを作成する流れが考えられます。
単に最新ニュースやトレンドを紹介するだけでなく、専門家の知見や洞察を加えることで、コンテンツの価値が飛躍的に高まります。こうしたひと工夫が、情報提供を超えて多角的かつ説得力のある視点を生み出し、読者の関心を引くきっかけになると思います。
また、生成AIを活用することで、このプロセスを効率よく進めることができる点が大きな魅力です。
これまで、4つのリミックス手法を通じて、AIがどのように過去のコンテンツに新たな価値を与えるかを探ってきました。
次回は、このシリーズ全体を振り返り、各手法を整理しながら、今までの学びをまとめていきます。
これまでの流れを再確認しながら、もう一度深く考えていきたいと思います。
執筆:ウー・ピーター
CONTENT MARKETING ACADEMY リサーチャー
※本記事は執筆及び画像作成にあたり、ChatGPTを利用しています。
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