AIで過去のコンテンツに新たな命を吹き込む方法3:コラボアルバムのように
エンジニアならではの視点で、海外のコンテンツマーケティングの世界に斬り込み、毎回新たな発見を共有していく「元エンジニアから見たコンテンツマーケティング」シリーズ。今回はAIを活用して専門的な知見や多様な視点を取り入れたナレッジベースを構築する方法について取り上げます。
前回のブログでは、AIを活用したリミックス方法の2つ目を取り上げ、明確なキャンペーンメッセージに基づき、複数のペルソナに向けたパーソナライズドコンテンツの展開方法について詳しく解説しました。
カスタマージャーニーの各ステージに応じた効果的なアプローチを設計し、AIを使って新たな価値を生み出す方法を知ることができたと思います。
今回は、本連載で引用している下記の記事で紹介されている、リミックス方法の3つ目について詳しくみていきましょう。
参考にした記事:
How To Turn Old Content Into a New Work of Art With an AI Assist
リミックス手法3:ナレッジベースの構築
リミックス3は、社内外に存在するまだ文章化されていないナレッジを活用して、顧客や業界に関連する情報を蓄積し、役立つナレッジベースを構築する手法です。さまざまなインサイトを一箇所に集約することで、ナレッジベースが形成され、それが顧客サポートを強化し、業界内での権威を確立するために不可欠な要素となります。ナレッジベースを構築すれば、顧客や市場のニーズに的確に応える情報を提供できるようになります。
リミックス3のプロセスは、例えるならば異なるアーティストが共同で一つのアルバムを作り上げる「コラボアルバム」のようなものです。社内外の各専門家が独自の知識や経験を提供することで、多様で新しい視点を盛り込んだ価値あるコンテンツが生まれます。それでは具体的な手順を見ていきましょう。
リミックス3のステップ1として、記事で紹介されているプロンプトを使ってナレッジベースで取り上げるべき質問をリストアップします。
ステップ1のプロンプト:
コンテンツマーケティングエージェンシーの包括的なナレッジベースを開発するコンテンツストラテジストとして、ナレッジベースにおいて重要なカテゴリと、優先的に扱うべき質問をリストアップしてください。一般的な質問に対応し、ユーザーを効果的にサポートするために、明確かつ情報豊富な回答を提供することを重視してください。
下線の箇所は記事で紹介されていたプロンプトをコンテンツマーケティングのテーマに合わせて編集しましたが、必要に応じて調整してみてください。
上記のプロンプトを入力すると、ナレッジベースで扱うべき質問をリストアップしてくれました。
ステップ1の実験結果:ナレッジベースに掲載する質問リスト
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次に、ステップ2として、リストアップされた質問に対する回答を社内外の専門家に依頼します。
寄稿依頼をするためのメールテンプレートを作成するため、記事で紹介されているプロンプトを利用します。
ステップ2のプロンプト:
社内外の関係者にナレッジベースへの寄稿を依頼するための、簡潔なメールテンプレートを作成してください。 メールの内容には、提出された内容が一般公開され、教育目的で使用されることを明確に伝えることが含まれます。
また、寄稿者の名前、役職、所属組織が回答とともに目立つ形で表示されることも伝えてください。
メールには、下記の質問を含め、それに対して寄稿者がクライアントに役立つ実践的なヒントや戦略を提供することを促してください。
- コンテンツ制作に関する質問
- ・効果的なブログ記事を書くためのベストプラクティスは?
- ・記事のタイトルや見出しを最適化する方法は?
- ・コンテンツのリミックスや再利用の方法は?
オリジナルのプロンプトから下線の箇所を変更していますが、上記のプロンプトを実行すると、社内外の関係者にナレッジベースへの寄稿を依頼するためのメールテンプレートを書き出してくれました。
ステップ2の実験結果:寄稿依頼のメールテンプレート
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通常、社内外の専門家向けに寄稿依頼を行うメールテンプレートを作成するには、時間と手間がかかるものです。相手に伝わりやすく、かつ簡潔で説得力のある文章を考える必要があるため、試行錯誤を繰り返すことも少なくありません。しかし、AIを活用すれば、短時間で質の高いテンプレートを生成できるため、効率的にプロジェクトを進めることができます。
ナレッジベースのように関係者が多く関わるコンテンツは、質問項目の設定や情報収集など、立ち上げの段階で多くの労力が必要です。しかし、今回紹介したリミックス3の手順でAIを活用することで、これらのプロセスを効率的に進められるのは大きな魅力です。
AIのサポートによって、複雑な作業もスムーズに始められ、負担を軽減しながら迅速に価値ある情報資産を構築できる点が素晴らしいと感じました。
次回は、記事で紹介されているリミックス4を取り上げていきますので、どうぞお楽しみに。
執筆:ウー・ピーター
CONTENT MARKETING ACADEMY リサーチャー
※本記事は執筆及び画像作成にあたり、ChatGPTを利用しています。
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