AIで過去のコンテンツに新たな命を吹き込む方法2:コンセプトアルバムのように

  • AIで過去のコンテンツに新たな命を吹き込む方法2:コンセプトアルバムのように
  • エンジニアならではの視点で、海外のコンテンツマーケティングの世界に斬り込み、毎回新たな発見を共有していく「元エンジニアから見たコンテンツマーケティング」シリーズ。今回はAIを活用してキャンペーンメッセージを作成し、ペルソナ別にコンテンツを展開する方法について取り上げます。

前回の記事では、AIを活用した「リミックス」の手法が、コンテンツマーケティングにおいてどのように役立つかについて探求しました。

既存のコンテンツをただ再利用するのではなく、生成AIの力を借りて新しい視点やアイデアを引き出し、異なる読者層にアプローチする方法を解説しました。このリミックス手法を活用すれば、コンテンツマーケターが限られたリソースを最大限に活用し、効果的で効率的なコンテンツ戦略を構築することができます。今回はその続編として、リミックスのさらなる可能性を探ります。

それでは前回引用した記事で紹介されているリミックス2について詳しく見ていきましょう。

今回参考にした記事:
How To Turn Old Content Into a New Work of Art With an AI Assist

リミックス手法2:メッセージ開発とペルソナ別の最適化

リミックス2では、まずキャンペーンの核となるキャッチーで印象的なメッセージを開発します。このメッセージが、キャンペーン全体の中心に据えられ、ターゲットユーザーの共感を呼び、心に響く強力な軸となります。次に、このメッセージを各チャネルやカスタマージャーニーの各段階に合わせ、ペルソナごとにパーソナライズされたコンテンツとして展開していきます。

ステップ1として、記事で紹介されているプロンプトを使用し、弊社のブログ記事「AIとコンテンツマーケティングの未来: エンジニア視点で解き明かす最新トレンド」を素材として実験しました。下線の箇所は記事で紹介されていたプロンプトを実験素材に合うように編集しています。

 

ステップ1のプロンプト:


コンテンツマーケティングエージェンシーのコンテンツ戦略担当者として
、トップパフォーマンスの記事AIとコンテンツマーケティングの未来: エンジニア視点で解き明かす最新トレンドからインスピレーションを得て、教育的またはインスピレーションを与える5つのキャンペーンメッセージのバリエーションを作成してください。それぞれのメッセージは2文以内にまとめ、プラットフォームに依存しない形式で、マーケティング担当者の特定の課題や関心に戦略的に訴求する内容としてください。


上記のプロンプトを入力すると、5つのキャンペーンメッセージがアプトプットされました。

 

ステップ1の実験結果:キャンペーンメッセージ案

  • 以下は、「AIとコンテンツマーケティングの未来: エンジニア視点で解き明かす最新トレンド」からインスピレーションを得た、教育的またはインスピレーションを与える5つのキャンペーンメッセージのバリエーションです。

  • 1. 「AIは、個別化されたコンテンツ戦略をさらに強化します。あなたのブランドの未来は、パーソナライズにあります。」

2. 「AIが生み出すデータドリブンなコンテンツで、マーケティング効果を最大化しましょう。顧客に響くメッセージを届ける
  準備はできていますか?」

3. 「AIの活用で、手間を減らし、クリエイティブに集中できる時代が到来。マーケティングにおける本当の価値にフォーカス
  しましょう。」

4. 「コンテンツの未来は、AIと人間のコラボレーションにあります。効率と創造性を両立させた戦略を構築しましょう。」

5. 「AIが解析したインサイトをもとに、より戦略的なコンテンツマーケティングを。データで導かれる次の一手が、成功の鍵
  です。」

どのメッセージも、マーケティング担当者が直面するパーソナライズ、データ活用、効率化などの課題に対し、AIの可能性を訴求しています。


次に、ステップ2として、2つのペルソナをターゲットに、カスタマージャーニーの4つのステージで効果的にエンゲージメントを促進するようキャンペーンを設計します。

記事で紹介されているMake it personal(個人化)」の手法を使い、複数のペルソナに対してより深いエンゲージメントを図ります。ステップ1の実験結果で得られた3番目の案である「AIの活用で、手間を減らし、クリエイティブに集中できる時代が到来。マーケティングにおける本当の価値にフォーカスしましょう」を用いて、2つの異なるペルソナに向けたキャンペーン開発を行いました。記事で紹介されたプロンプトを参考に、ターゲットとするペルソナを変更し、エンゲージメントを促進するための要素を追加・調整しています。
(下線部が変更点)

 

ステップ2のプロンプト:

AIの活用で、手間を減らし、クリエイティブに集中できる時代が到来。マーケティングにおける本当の価値にフォーカスしましょう」を中心にした包括的なキャンペーンを開発し、下記の2つのペルソナをターゲットに、彼らのカスタマージャーニーの4つのステージ(認知、検討、評価、維持)で効果的にエンゲージメントを促進するよう設計してください。

ペルソナ1: コンテンツマーケティング戦略担当者
企業やブランドのコンテンツマーケティング戦略を担当。生成AIを活用してエンゲージメントや効率を向上させる方法を模索中。

ペルソナ2: マーケティングテクノロジー責任者
新しいマーケティングテクノロジーの導入と統合を監督。ROIの評価、セキュリティリスク、技術的適合性を重視して意思決定。

キャンペーンは、各ペルソナの特定のニーズと関心を各ステージで取り上げ、AIの活用で手間を減らしマーケティングにおける本当の価値にフォーカスしましょう」というメッセージを効果的に響かせるようにしてください。



上記のプロンプトを実行すると、キャンペーン案を設計してくれました。

 


ステップ2の実験結果:ペルソナ別キャンペーン設計案

●包括的なキャンペーン設計

キャンペーンメッセージ:

「AIの活用で、手間を減らし、クリエイティブに集中できる時代が到来。マーケティングにおける本当の価値にフォーカスしましょう。」

このメッセージを軸に、以下の2つの主要なペルソナに合わせたカスタマージャーニーの4つのステージ(認知、検討、評価、維持)でエンゲージメントを促進する戦略を展開します。

●ペルソナ1: コンテンツマーケティング戦略担当者

認知ステージ:

  •  ・目標: AIがマーケティング戦略にどのように貢献できるかを認識させる。
     ・戦略: ホワイトペーパーやブログ記事で、生成AIの導入による時間節約とクリエイティブな集中の重要性を訴求。例え 
      ば、「AIで日常業務を効率化し、戦略的なコンテンツ作成にもっと時間を使えるようになる」といったテーマのコンテン
      ツを提供。

検討ステージ:

 ・目標: AIの導入を具体的に検討させる。

 ・戦略: ウェビナーやライブデモを実施し、AIがどのようにパーソナライズされた戦略をサポートし、エンゲージメントを
  向上させるかを実際のケーススタディを交えて説明。

評価ステージ:

  •  ・目標: AIを導入することで得られる具体的なメリットを理解させる。
     ・戦略: 導入企業の成功事例を共有し、AIが効果的にクリエイティブなプロセスを支援し、競争優位を強化する方法を紹
           介。ROI計算ツールを提供し、効率性向上による具体的な数字を提示。

維持ステージ:

  •  ・目標: AIの継続利用を促進。
     ・戦略: 定期的なアップデートや新機能の紹介、コンテンツ最適化のためのAI活用方法に関するエキスパートとの相談機会
      を提供し、彼らの取り組みをさらに効率化。

 

 ●ペルソナ2: マーケティングテクノロジー責任者

認知ステージ:

  •  ・目標: AIがテクノロジー導入でどのように効率化を促進できるかを認識させる。
     ・戦略: AIとマーケティングテクノロジーの融合がいかにROIを向上させるかに焦点を当てたブログ記事やレポートを作成。 
           特にセキュリティと技術的適合性に関する情報を強調。

検討ステージ:

  •  ・目標: 新しいAI技術の導入を真剣に検討させる。
     ・戦略: 特定のマーケティング技術に対して、AIがどのように既存のインフラと統合できるかを示す技術ドキュメントやデ 
      モを提供。技術リスクに対するFAQや実用ガイドを公開。

評価ステージ:

  •  ・目標: AIツールの適合性とセキュリティ面での優位性を確認。
     ・戦略: セキュリティ監査やベンダーのセキュリティプロトコルに関する資料を提供し、ROI分析レポートを通じて、AI導入
      によるコスト削減とパフォーマンス向上のデータを具体的に示す。

維持ステージ:

  •  ・目標: 技術のさらなる最適化と長期的なパートナーシップの促進。
     ・戦略: 技術アップデートやセキュリティの最新情報を定期的に提供し、成功事例を共有。さらに、新しいAI統合機能をデ 
        モンストレーションし、長期的な技術発展の可能性を示す。

 

通常であれば、一つのメッセージからペルソナ別のキャンペーンを設計する作業は時間がかかるものですが、このアプローチにより大幅な効率化を図ることができ、クリエイティブな作業に時間を割り当てることができるようになります。

AIの進化により、過去のコンテンツを新たな価値で再活用し、ペルソナに合わせたパーソナライズ戦略がより簡単かつ効果的に実行できるようになりました。

本記事では、リミックス手法を使って、キャンペーンメッセージ作成から、カスタマージャーニー全体を通じてエンゲージメントを高めるプロセスを解説しました。これにより、限られたリソースを最大限に活かし、効率と創造性を両立したマーケティングが実現できます。

新しい形のコンテンツマーケティング実現のためのヒントになれば幸いです。


次回は、記事で紹介されているリミックス3を紹介していきますので、どうぞお楽しみに。

 

 

執筆:ウー・ピーター
CONTENT MARKETING ACADEMY リサーチャー
※本記事は執筆及び画像作成にあたり、ChatGPTを利用しています。

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