わんちゃんと飼い主さん向けの専門メディアとして、月間最大130万PVを記録するカインズのオウンドメディア「WanQol(ワンクォール)」。2024年にコンテンツマーケティング・グランプリを受賞したすばらしいオウンドメディアです。
300坪のドックランに住むという編集長の市川さんも、大のわんちゃん好き。
従来のペットメディアとは一線を画す運営哲学で、飼い主さんの心に深く刺さるコンテンツを生み出し続けている——そんな成功の秘密を編集長の市川さんに語っていただきました。
みなさん、こんな悩みはありませんか?
・PV数は追いたいけれど、ブランドの信頼性も失いたくない
・他社との差別化が難しく、独自性を打ち出すのに苦労する
・読者が知りたいことと自社が伝えたいことのバランスが難しい
こんな経験がある方に、ぜひご覧いただきたいセッションです。
ワンクォールが実践する信頼性重視の運営哲学
編集長の市川さんがワンクォールで最初に決めたのは、意外にも「やることよりもやらないことを決める」ことでした。
「○○ちゃんのかわいい仕草がSNSでバズっています!」——こんなタイトルの記事をご覧になったことはないでしょうか?しかし、ワンクォールではこうした記事を一切作りません。可愛いと思われがちなワンちゃんの仕草が、実はストレスサインや病気のサインである可能性があるからです。
「バズるよりも信頼を大切に」——この一言に、ワンクォールの哲学が凝縮されています。
そうした信頼ある情報発信のため、ワンクォールは100名以上の専門家ネットワークを持っています。獣医師、トリマー、動物看護師、そしてライターまで、全員が「大の犬好き・愛犬家」です。
「十人十色ならぬ、十犬十色(じゅうわんといろ)なくらしに寄り添う」——様々な角度からワンちゃんに接している専門家たちとの協力体制が、少数精鋭での高品質コンテンツ制作を可能にしています。
■コンテンツマーケティング担当者が学ぶべきポイント!
「やらないこと」を明確にして信頼性を守るワンクォールの編集方針は、バズ狙いに走りがちな一過性のマーケティングに一石を投じています。「SEOは後からついてくる」という読者ファーストの思想で検索上位を獲得し、読者が本当に大切にしていることにこだわる姿勢は、あらゆる業界のオウンドメディア担当者にとって必見の内容です。
自分自身も当事者だからわかる「真のニーズ」
オウンドメディアの差別化という課題に対して、市川さんたちが注力したのは「自分たちにしかないものを探すこと」でした。
例えば、運営母体のカインズが提唱する「くらしDIY」。これをワンちゃんとのくらしにも適用し、飼い主さんが「私だけが作った、世界に一つしかないオリジナルグッズ」を楽しめる記事を約300本掲載しています。DIY記事を読んだ飼い主さんたちがSNSで「作ってみた」と報告してくれることもあるそうです。
また、編集長の市川さん自身が、わんちゃんの飼い主として日々感じる、疑問やこだわりをコンテンツ企画制作に活かしています。
読者の方から記事について質問がある場合も、ひとつひとつ丁寧に専門家に質問して疑問を解消。飼い主さんが正しい知識を持つことで、わんちゃんが健康で幸せなくらしが送れるというこだわりです。
単なる情報発信を超えた「思いやりの架け橋」として、読者と企業、そして愛犬たちをつなぐ温かなコミュニティがここに生まれています。
市川さんは穏やかな語り口でこう締めくくりました。
「答えはいつもシンプルなところにある。一緒に信じた道を突き進んでいきましょう」
続きは、セッション動画をお楽しみに!
▲CMAの田所・村上と一緒に記念撮影
■ このセッションのポイント
ひとり編集部でも優れたコンテンツを発信し続け、コミュニティ活動をひろげていくためのヒントを学ぶことができます。
・読者のくらしに寄り添うコンテンツの企画制作方法
・生き物や健康を扱うメディアの運営姿勢
・読者がファンになっていくメディア運営ノウハウ
ぜひCMD2025で、あなたのメディア運営を
次のレベルへと押し上げるヒントを掴んでください!
登壇者のメッセージ
登壇を通じて、改めて自分たちのメディア運営への想いを振り返る貴重な機会をいただきました。ワンクォールの編集チームとして5年間、時には「誰が見てくれているのか」と不安になりながらも、ワンちゃんのため、読者のためという信念を持ち続けてきました。
今回のグランプリ受賞で、社内からも「そんな想いでやっていたなんて知らなかった」と声をかけていただき、広報チームとの連携も生まれました。メディア運営では社内外からの様々な声に左右されそうになることもありますが、最終的には「自分たちが向いている方向」を信じて続けることの大切さを実感しています。 同じような悩みを抱えるメディア運営者の方々にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
これからも読者の皆様に愛されるメディアを目指して、チーム一丸となって取り組んでまいります。