今年はどう変わる?コンテンツマーケターによる2014年の展望
2014年、コンテンツマーケティングはどのような発展を遂げると予測されているのだろうか?戦略・アウトプット・技術の活用―今年注目すべきポイントについて米国の著名マーケターたちの予測を見てみよう。
2014年になり、さらに注目が集まりつつあるコンテンツマーケティング。日本国内でも関心が高まってきている中、マーケティング先進国のアメリカでは、今年どのような変化が期待されているのだろうか?Content Marketing Instituteが発行した、”50 Content Marketing Prediction for 2014“から、著名マーケターの2014年の予測を見てみよう。
ペイド・オウンド・アーンドの3つのメディアを駆使したより統合的な戦略が求められる時代に。
Robert Rose – Chief Strategist, Content Marketing Institute
企業はペイド・オウンド・アーンドメディアを統合的に駆使した戦略を組むようになるだろう。また、多くの企業が、より積極的な姿勢でコンテンツマーケティングを行っていくための正式な組織を設ける年になるだろう。
Lee Odden –Toprankmarketing.com
2014年は、昨年大きな話題となった「顧客の質問に応えるコンテンツを作る」ということから、もう一段深く掘り下げる形でコンテンツの質について考えていく年になるだろう。
また、多くの企業がオウンド・ペイド・アーンドメディアを分けて考えるのではなく、クロスチャネルでコンテンツを提供し、見込み客が購入に至るまでのライフサイクルの中で、どこで関心を持たせ、エンゲージメントを図り、コンバージョンへと導くべきなのか、統合的な視点からカスタマーエクスペリエンスの強化を図るだろう。
短時間で消費できる「マイクロコンテンツ」の活用に期待。
Jay Bayer – President, Convince & Convert
多くの企業がコンテンツを量産する中、ユーザーの関心を集め、さらに保ち続けるために求められるコンテンツの量は急増することが予測される。そのため、短い時間で楽しめ、モバイル対応ができている小容量のコンテンツ、つまり「マイクロコンテンツ」が次のコンテンツストラテジーの鍵になるのではないだろうか。実際、その流れをくむように、Instagram, Vine, SnapChatなど、小容量であり、かつ短時間で楽しめるコンテンツを中心としたサービスが増えつつある。
Julie Fleischer – Director, Media & Consumer Engagement, Kraft Foods
2014年は短時間で楽しめる音声ファイルや、ビジュアルコンテンツ、動画など動きのあるコンテンツの時代になるだろう――gifアニメ、vine、instagramの動画機能などは、長い時間をかけて見てもらうコンテンツよりも、より高い視聴率と効果的なエンゲージメントを獲得するだろう。代理店やコンテンツ制作会社はいかに短いストーリーから大きな影響を及ぼすことができるかということを競い合うだろう。1つのコンテンツに対する消費者のアテンションが短くなり、「ながら見」が増える中で、いかに彼らを魅了できるか・・・それが課題だ。
メディアとの関係は「売る・買う」から「パートナー」に。
Michael Brenner – VP, Marketing and Content Strategy, SAP
2014年は、企業とメディアが「広告枠を買う」ということ以上により深いパートナーシップを組む年になるだろう。私が思い描いているのは、消費者にあまり喜ばれない「ネイティブアド」ではなく、企業とメディアがスポンサードコンテンツを共同制作し、メディア側のサイト、企業の自社サイト、企業が持つソーシャルチャネルなどで、広くそのコンテンツを活用することができるような「真のコンテンツパートナーシップ」だ。
活用する技術は、後から判断するのではなく、戦略立案の一部に。
Craig Hodges- CEO, King Content
コンテンツマーケティング市場が成熟するにつれ、どのように最先端技術をとりいれるかということが、より重要になるだろう。コンテンツの効果計測が行えるようにしておくためにも、戦略を考える時点から、どのように技術を活用するのかに関する検討も含めておく必要がある。
コンテンツを提供する≠コンテンツマーケティングということが実感できる年に。
Ardarth Albee
「コンテンツを提供していれば、見込み客がアクションを起こす」わけではなく、ちゃんとした戦略が必要だ、ということを実感する年になるだろう。
署名マーケターたちが語る2014年のコンテンツマーケティング予測はいかがだっただろう?
最後に紹介したArdarth Albeeのコメントにもあるように、2014年はコンテンツマーケティングが「単にコンテンツを提供すること」から「コンテンツを戦略的に活用すること」にシフトする一年になるのではないだろうか。また、マイクロコンテンツが注目されていることからも見られるように、消費者動向にも変化が生まれていることも感じられる。スマートフォンやタブレットが普及し、常にネットにアクセスできる時代だからこそ、消費者は多くコンテンツに触れており、結果として一つ一つのコンテンツにかけられるアテンションスパンは短くなりつつあるのだ。このようなトレンドを理解し、どのように消費者を魅了するコンテンツをつくっていくのか、そして、そこからどうやって購買へ結びつけるのか―それこそが2014年の課題なのではないか。
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