闇雲にコンテンツを作らない!現状把握から始まるコンテンツ発想法

  • 闇雲にコンテンツを作らない!現状把握から始まるコンテンツ発想法
  • コンテンツマーケティングに取り組む上で、記事化するトピックの案出しに苦労する企業は多いだろう。今回は既存のコンテンツを整理することで、新たなトピックの発見につなげるコンテンツ発想法を紹介する。

コンテンツマーケティングに取り組む担当者なら、誰でもいつかはぶつかる悩みがあるだろう-「次のテーマ、どうしよう!?」そう、コンテンツのテーマ選びだ。メディアを運営するとなると、記事をある程度定期的に出していくことになるが、なんらかの成果につながりそうなテーマを毎回探すことは簡単ではない。

思いつくままにネタを出して記事化するだけでは、テーマの洗い出しに行き詰まりやすくなるだけでなく、ターゲットが必要とするコンテンツの漏れを見落とすことにもなりかねない。そこで今回は、より効果的なテーマをスピーディーに見つけ出すための「コンテンツ発想法」を紹介。さっそくその方法を見ていこう。

参照元の記事を執筆したidio社は、詳細な解析機能を搭載したコンテンツマーケティング支援プラットフォームを提供している

コンテンツの今と次が見えてくる「棚卸しマトリクス」

今回の発想法を簡単に言うと、「コンテンツの棚卸しと精査」に尽きる。自分たちが今まで発信してきたコンテンツを洗い出して分析することで、次に書くべきテーマをあぶり出すのだ。

またこの棚卸しは、過去に発信してきたコンテンツを整理する意味でも非常に役立つ。これまで何を語ってきたかを洗い出すことで、既存のコンテンツの全体像をつかむことができる。さらにそれによって次に語るべき内容をより明確にできるのだ。

「棚卸しと精査」と言うと大仕事のように聞こえるが、実際はごくシンプルなマトリクスで整理できる。最初は時間がかかるかもしれないが、作業自体は複雑ではない。手順は以下の通りだ。

コンテンツの棚卸し手順

  1. まずは既存のコンテンツをすべてリストアップしよう。
  2. 次に行うのはグルーピング。記事を分類する2つの軸を決めよう。たとえばガーデニングに関するサイトであれば、トマトやキュウリ、ハーブといった「作物」グループと、水やりのコツ、雨季対策、熟した実の見分け方といった「ノウハウ」グループ。
  3. 2つのグループができたら、今度はそれらでマトリクスをつくろう。先ほどのガーデニングの例であれば、縦軸に「作物」グループを、横軸に「ノウハウ」グループを配置してみる。
  4. できあがったマトリクスに、既存のコンテンツをあてはめてみよう。トマトの水やりのコツに関する記事はあっただろうか?雨季対策は?熟したトマトの見分け方は?…といった具合に。
  5. この棚卸しを行ううちに、空欄があることや追加すべきマスがあることに気づくだろう。「ハーブの水やりに関する記事がなかった!」「トマトの“害虫対策”も必要では?」などなど。それが見つかれば、すなわちそれが次のテーマ候補となるのだ。

作物グループとノウハウグループによるコンテンツマトリクス

コンテンツ化する前に、さらなる「見極め」を

以上がidio社の紹介する発想プロセスとなる。しかしこの方法であぶり出したコンテンツテーマがそのまま使えるとは限らない。たとえば上記の例でいうと、「熟したハーブの見分け方」といった意味をなさないマスも出てくる。そういった場合は×をつければ良いだろう。

またさらに重要な点になるが、ここで洗い出したテーマが、ターゲットの求める情報と合致するとも限らない。このマトリクスはあくまで「テーマ候補」のあぶり出しだからだ。そのため実際のコンテンツ化にあたってはさらなる見極めが必要になるのは言うまでもない。

そこで、ここからはidio社の方法を応用したプラスαの提案をしたい。さらに別のマトリクスを使って、そのテーマが戦略上効果的かどうかを見極めるのだ。

それが縦軸に「ペルソナ」、横軸に「購買プロセス」を並べたこのマトリクス。

ペルソナと購買プロセスによるコンテンツマトリクス

先の発想法で見つかったコンテンツテーマがこのマトリクス上に当てはまれば、それはペルソナのニーズに合致しているだけでなく、企業が見込み客に「歩んでもらいたいプロセス」(=購買プロセス)に沿っていることを意味する。顧客視点のコンテンツだがビジネスゴールにはあまり貢献しない、といったありがちな落とし穴を避けることができるだろう。

今回紹介したコンテンツ発想法では、記事化できる可能性のあるトピックを広く洗い出すことができるため、ネタ出しに苦労している企業や担当者にとって役に立ちそうだ。

さらに、idio社が提案する「棚卸しマトリクス」だけでなく、「見極めマトリクス」を2段階で活用するなど、このマトリクスの考え方は様々な検討段階に応用できる。

「次に打つ手を考えるために、まずは現状を的確に把握しよう」-コンテンツマーケティングを戦略的に進めるにあたって、ぜひ覚えておきたいルールと言えるだろう。

執筆:近藤智子 編集:三友直樹(日本SPセンター)

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