検索はGoogleの外で起きている ―Search Everywhereが示すSEOの新しい現実

  最終更新日: 2026.05.01

  • 検索はGoogleの外で起きている ―Search Everywhereが示すSEOの新しい現実
  • この記事でわかること
    1.検索行動がGoogle中心から複数プラットフォームへ広がっている背景
    2.YouTubeやRedditなど第三者プラットフォームがSEO競争に与える影響
    3.Search Everywhereという考え方とAI・GEO時代の可視性の変化

「検索といえばGoogle」。この前提は長い間、SEOの中心にありました。しかし現在、その前提が大きく変わり始めています。ユーザーは目的に応じて検索する場所を変え、情報探索は複数のプラットフォームに分散しています。

Search Engine Landの記事「Why ‘search everywhere’ is the new reality for SEO」では、この変化をSearch Everywhereという考え方で説明しています。著者はNP DigitalのSEOディレクターであるRob Tindulaです。本記事では、その内容を整理しながら、AIやGEOとの関係についても考えていきます。 

 

 検索行動はすでに分散している  

 まずTindulaが指摘するのは、検索行動の変化です。現在、多くのSEO議論はAIに集中しています。AI OverviewやChatGPTなどがトラフィックを奪っているという見方です。しかし彼は、こうした変化は突然起きたものではなく、検索行動の分散はすでに長い時間をかけて進んできたと述べています。 

 ユーザーはすでに、目的に応じて検索場所を使い分けています。レストランを探すときはTikTok、チュートリアルを探すときはYouTube、本音のレビューはReddit、商品購入はAmazon。これらはもはや単なるSNSやECサイトではなく、検索の出発点として機能しているといいます。 

 この変化は、検索という行為そのものが検索エンジンの外に広がっていることを示しています。つまり、検索はGoogleだけで完結するものではなくなっていると言えます。

競合は企業ではなくプラットフォームになる

この主張を裏付けるデータとして、あるクライアントに対してシェア・オブ・ボイス分析を実施した事例が紹介されています。その結果、最大の競合として浮かび上がったのは同業他社ではなく、YouTubeとRedditだったといいます。 

これらのプラットフォームは検索結果の上位に表示されるだけでなく、ユーザーをGoogleの外へと誘導します。そして、その先のプラットフォーム内でさらに情報探索が行われるのです。

これは、SEOの競争相手が企業からプラットフォームへと広がっていることを意味しています。検索結果で競争しているのは同業他社だけではなく、YouTubeやSNS、コミュニティサイトなども含まれるようになるということです。

さらに重要なのは、こうしたプラットフォームに取り組まない場合、検索結果だけでなく、その後の情報探索のプロセスにも関与できなくなる点です。意思決定の流れの中で、ブランドが存在しない状態になってしまう可能性があります。

プラットフォーム内検索が拡大している  

もう一つ挙げられているのが、プラットフォーム内検索の規模です。ハウツー系のクエリでは、YouTube内の検索ボリュームがGoogleを大幅に上回るケースがあります。「蛇口の修理方法」というテーマでは、YouTubeの検索数がGoogleの約15倍に達するという例が紹介されています。

この数字が意味するのは、記事だけではユーザーに届かない領域が存在するということです。そこで提案されているのが、ブログ記事とYouTube動画を組み合わせ、動画を記事に埋め込むことで複数の検索経路に対応するというアプローチです。

コンテンツは単一の形式で完結させるのではなく、複数のプラットフォームを前提に設計する必要があります。

AIの回答も第三者プラットフォームに依存する  

この流れはAIにも及んでいます。生成AIは回答を作成する際、企業サイトだけでなく第三者サイトやSNS、フォーラムなどの情報を参照します。分析では、AIの引用の多くが第三者サイトからだったという結果も示されています。

この点は非常に重要です。自社サイトのSEOを強化するだけでは、AIでの可視性は高まりません。ブランドの情報が第三者サイトやコミュニティでどのように扱われているかも重要になります。

つまり、検索対策は自社サイトの最適化だけではなく、第三者プラットフォームでの可視性も含めて考える必要があるということです。

Search Everywhereが意味するもの

ここまで見てきたように、検索行動はすでに分散しています。さらに、競合は企業だけでなくプラットフォームへ広がり、AIも第三者情報を前提に回答を生成するようになっています。

この流れを踏まえると、SEOをGoogle対策として捉えること自体に限界が出てきていると言えます。ユーザーはひとつの検索エンジンの中で完結しているわけではありません。Googleで調べ、YouTubeで理解し、Redditで評判を確認し、Amazonで比較する。このように複数の場所を横断しながら意思決定しています。

ここで重要なのは、「どこで検索されるか」だけではなく、「どの流れの中で意思決定が行われているか」です。検索の起点だけでなく、その後の比較や納得のプロセスまで含めて可視性が影響します。

Search Everywhereとは、単に露出先を増やす発想ではありません。ユーザーの意思決定プロセス全体の中で、どの接点に現れ、どのように理解されるかを設計する考え方です。

この変化はGEOの考え方ともつながる

前の章で見たように、AIは企業サイトだけを参照しているわけではありません。ニュース、レビュー、フォーラム、コミュニティといった複数の情報源をもとに回答を組み立てています。

ここで起きているのは、「どこか一つで評価される」のではなく、「複数の場所での情報の重なりによって評価が形成される」という変化です。

たとえば、あるテーマについて
・記事で説明されている
・動画でも解説されている
・コミュニティでも言及されている

このように複数の場所で情報が繰り返し現れることで、理解が強化されていきます。

この構造は、GEOで言われている意味空間の考え方と非常に近いものです。可視性は単一の順位ではなく、複数の接点での情報の重なりによって決まる。この前提に立つと、Search EverywhereはGEOの土台となる考え方だと捉えることができます。

では、何を見直すべきか

ここまでの内容を踏まえると、SEOの実務で見直すべきポイントも具体的に見えてきます。

まず一つ目は、競合の捉え方です。実際の競争相手は同業企業だけではなく、YouTubeやRedditのように検索結果やその先の行動で注意を奪っている存在です。「誰と順位を争うか」ではなく、「どの接点でユーザーの関心を奪われているか」という視点で捉え直す必要があります。

二つ目は、コンテンツの設計です。ハウツー領域では、記事だけでなく動画の検索ボリュームが大きくなっているケースもあります。この場合、記事だけでは十分に届きません。動画も含めて設計し、それを記事に埋め込むことで複数の検索経路に対応することが求められます。一つのテーマを複数の形式で展開する発想が重要になります。

三つ目は、ブランドの可視性の考え方です。AIの回答は第三者サイトやコミュニティの情報を横断して生成されます。そのため、自社サイトの最適化だけでなく、外部でどのように語られているかも可視性に直結します。ブランドや製品に関する情報がどのように広がり、どのように認識されているかを含めて考える必要があります。

おわりに

いま起きているのは、検索の変化というよりも、意思決定の構造そのものの変化です。検索の入口は分散し、比較や納得の場も複数に広がり、さらにAIはそれらを横断して情報を統合します。

その結果、SEOはGoogleでの上位表示を目指すものから、ユーザーの意思決定の中でどのように関与するかを設計するものへと変わりつつあります。

Search Everywhereという言葉は、この変化を非常にシンプルに表現しています。これからのSEOやGEOを考えるうえでは、「どこで見つかるか」だけでなく、「どの流れの中で見つかるか」を意識することが重要になっていきそうです。



執筆:今里

CONTENT MARKETING LAB ライター

※本記事は執筆及び画像作成にあたり、生成AIを利用しています。

 

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