魅力的な“動き”を可能にする、新プレゼンテーションツール
Preziは時代を先取りしたツールであり、ストーリーを語るようにスムーズな流れでメッセージやアイデアを表現できるものだ。もっとも注目すべき特長は、その「動き」にある。パワーポイントやスライドシェアが一定の方向へとスライドをめくっていくという“左右”の動きであるのに対し、Preziはプレゼンテーションの内容に自在にズームイン/アウトできる、“左右+上下+奥行”の動きが可能になっているのである。ズームアウトすることで、プレゼンテーションの全体像をビジュアルとして視認することができ、それが内容のナビゲーションとしても役立っている。
動画やイメージを埋め込むことも可能なため、複雑なネットワークやプロセスを図式化したり、マインドマップをつくったり、ビジュアルデータをわかりやすく共有したりすることができる。もちろん、コンテンツマーケティングにおいての情報発信にも最適であることは言うまでもない。
このツールがコンテンツ戦略に適している理由の一つは、すぐれたストーリーテリングツールであるということだ。視点を柔軟に動かすことで、ユーザーの興味をかきたて、あなたが伝えたいメッセージへとスムーズに誘導してくれるに違いない。また表現手法の「新しさ」も、Preziが持つ独特の動きをあまり体験したことのないターゲットにとって、魅力的なフックになるだろう。実際に、コカコーラ社やレノボ社など、多くの企業がPreziで作成したプレゼンテーションをショーやイベント、リクルーティングで活用。Preziブームはすでに始まりつつあるようだ。
注意すべき点は、SEO対策とコンテンツの選び方
魅力的な表現を実現してくれるPreziは、同時に、多くの人々がクラウド上でアイデアの共有・発見を可能にしてくれるツールである。その一方で、Preziはスライドシェアとは異なり、検索エンジンにコンテンツを読まれることがないというデメリットを持つことを忘れてはいけない。多くのユーザーの目に留まるようにするためには、テキストコンテンツを忘れずに用意しておくことが必要なのだ。
また、Preziで共有するコンテンツをどのようなものにするかについても吟味することが必要だろう。つまり、左右+上下+奥行の自在な動きを持つPrezi以外では表現しにくいコンテンツを選び、データやイメージ、動画などを効果的に使って表現するのだ。
Preziをコンテンツ戦略に取り入れるかどうかは自由だが、もし活用するのなら、一からプレゼンテーションを構築しようとするのは懸命ではない。すでにPreziを活用している企業の事例から得たインスピレーションを基に、さらに革新的な使い方を考えるのがスマートな方法だ。
――オンラインサービスであるPreziだが、digital out-of-home (DOOH) campaignつまりオフラインでも使用することが可能。WEB上にもPreziを活用したインタラクティブなプレゼンテーションが数々アップされているので、そのユニークな表現方法に一度触れてみては?きっとインスピレーションが刺激されるはずだ。