CMI Express Vol.001(JULY 2012)
コンテンツマーケティング協会(CMI)のWebサイトには、日々マーケティング業界のエキスパート達から記事が寄稿されています。これらの記事の中から比較的SNSで高反響だったものをピックアップ。いま、欧米で熱く議論されているトピックを紹介します。
7月のトピック
- ビジュアルの活用にあたって検討しておきたい10のポイント
- コンテンツマーケターはWEBサイト設計に深く関わるべきだ
- もはやコンテンツなくしてブランド価値は上がらない~NikeとStarbucksの事例から~
ビジュアルの活用にあたって検討しておきたい10のポイント
PinterestやTumblrのような”ビジュアルを使った”Webサービスが大きな注目を集めるようになって久しい。この状況をコンテンツマーケティング的な視点、つまり多くのユーザーを惹きつけるためという観点から考えるならば、写真などの“ビジュアル”の重要度がこれまで以上に増していると考えられるだろう。
ビジュアルがあることでSNS上でのシェア拡大を生み出し、実際にその効果が「販売」にも結び付いているというデータもある。だからこそ、企業は自社のコンテンツマーケティングの方向性に合わせ、ビジュアル戦略というものをきちんと考える必要がある。そのためには、以下に示す10点はチェックしておきたい。
- 企業のマーケティングに合わせ、“オリジナル”のイメージを一から創ること。
- 他にないコンテンツビジュアルづくりをプロに依頼すること。
- 広報計画を立てた上で、拡充していくこと。
- フリー画像も活用して、伝えたいことをより強化すること。
- 既存のコンテンツとそのイメージもうまく再利用すること。
- たくさんのイメージをキュレーションする方法も有効。
- 画像のデジタル著作権を取得することを忘れないこと。
- イメージの“見つけやすさ”にも気を配ること。
- 販売プロセスに直結する箇所で効果的に使うこと。
- SNSへのシェアを奨励することを忘れないこと。
端的にまとめるならば、企業そのものをしっかり表現できるビジュアルイメージであることを前提に、使い方を工夫することはもちろん、その他のビジュアルとの組み合わせによる強化の可能性について検討しておく必要があるということだ。その積み重ねが、ソーシャルメディアとの連動や販売促進活動を活性化させ、コンテンツに惹きつける力をさらに高めてくれるのだ。
- 参照したアーティクル 10 Tactics for Integrating Photographs into Content Marketing コンテンツマーケティングで写真を活かすための10の戦略
コンテンツマーケターはWEBサイト設計に深く関わるべきだ
Web業界ではこれまで以上に、よりコンテンツを重視するようになってきている。このような状況を受けてCMIの記事では、コンテンツマーケターが、初期段階からWebサイトの設計に携わることの重要性を説いている。
もはやコンテンツなしには、SEO対策は不可能
コンテンツの内容が検索エンジンの順位に影響を与えるようになった今、読者にとって本当に役立つコンテンツの充実が、多くの読者との接点を増やすことにつながる。だからこそコンテンツマーケターの目線でサイト構造やユーザー遷移についても議論していくことが非常に重要なのだ。
大切なのは「コンテンツ」と「コンテクスト」
読者を引き込むためのコンテンツ開発はもちろん、それらのコンテンツを確実にアクションへと繋げるのに必要なコンテクスト(流れ)の設計こそ、コンテンツマーケターが本領を発揮する部分である。読者が求めているものは何か、どういった行動をとるのか、それらにフィットするコンテンツは何か。それが実現できるとコンバージョン率は確実にUPする。
既存のコンテンツ資産を最大限に活用
予算や技術的な制約などがある場合も、コンテンツ資産をうまく活用することでよりよいサイトにすることは可能だ。たとえばブログ記事・ケーススタディ・特集・インタビュー記事、ビデオライブラリー、イメージギャラリーなど“すでにある”素材を活用するのだ。もちろん自分がサイトでどのようなことを伝え、読者にどうアクションしてほしいかを考慮しながら、コンテンツを選択していくことが肝心なのは言うまでもない。
これら3点に共通するのは、コンテンツマーケターが持っている「ユーザー本位の視点」こそ、サイト設計においてもっとも必要とされるようになった、ということである。
もはやコンテンツなくしてブランド価値は上がらない~NikeとStarbucksの事例から~
インターネットの普及により、企業とユーザーが個別にコミュニケーションをとれるようになったことで、ブランディングのあり方も変化している。単に「個性」を発信するだけではなく、ユーザーが得られる「メリット」をしっかりと伝えることが必要になったのだ。CMIの記事では、成功事例としてNike+とStarbucksを挙げ、そのブランディング手法を分析している。
ユーザーのすべてのアクティビティを記録し、仲間と比較・共有できる製品であるNike Fuelband。Nike+は、ただメーカーとして製品を販売することをゴールにするのではなく、販売をスタート地点として捉え、ユーザーとの関係性を深めるべく、一人ひとりが楽しめるコンテンツを提供。このサービスにより、ブランドの価値を飛躍的に高めたと評価している。
またスターバックスは、MyStarbucksIdeaのサイトでユーザー参加型のコンテンツを充実。ユーザーによるアイデア・意見を実際に製品化するなど、企業と直接交流を持てることで、ユーザーとの関係性をより深化させている。またSNSや他メディアとの連動にも積極的で、You TubeにUPされている250以上の動画では企業の裏側を見せるなど、ブランドの信念を遺憾なく伝えることに成功しているのだ。
従来のブランディング手法とコンテンツ戦略が必ずしも相反するものだとは限らないが、少なくとも「双方を共存させる」という試みが、ユーザーの評価を生み出していると言えるだろう。
- 参照したアーティクル How to Use Content to Raise the Bar for Branding ブランドの価値を上げるコンテンツの使い方
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