【アーカイブで学ぶコンテンツマーケティング】④なぜ企業はストーリーを語るのか。コンテンツマーケティングの歴史に学ぶ情報発信の原点
最終更新日: 2026.06.25

この記事でわかること
1.コンテンツマーケティングは100年以上前から実践されてきた考え方であること
2.企業がメディアのように情報発信するようになった背景
3.ストーリーテリングがコンテンツマーケティングの中心にある理由
なぜ、いま古い記事を読むのか
生成AIによって、コンテンツ制作の環境は大きく変わりました。記事の下書き作成、画像生成、動画制作など、以前よりもはるかに少ない時間でコンテンツを作れるようになっています。
その一方で、「コンテンツを公開しても読まれない」「情報は発信しているのに印象に残らない」「検索やSNSで見つけてもらえても、顧客との関係づくりにつながらない」。こうした課題は現在も数多く存在しています。
そもそも、企業は何を目的にコンテンツを発信するのでしょうか。そして、どのようなコンテンツが人の記憶に残るのでしょうか。
今回取り上げるのは、2012年にContent Marketing Instituteで公開されたJoe Pulizzi氏の記事「The History of Content Marketing - How Brands Have Become Storytellers」です。
この記事はコンテンツマーケティングの歴史を振り返る内容ですが、本当に語られているのは歴史そのものではありません。Pulizzi氏が伝えようとしているのは、「企業はなぜストーリーを語る存在になったのか」というテーマです。
そこには、現在のコンテンツマーケティングにも通じる重要な視点が含まれています。
1.The Furrowが示したコンテンツマーケティングの原点
記事の中で最も有名な事例として紹介されているのが、農業機械メーカーJohn Deereの雑誌「The Furrow」です。
John Deereは農機具を販売する企業ですが、この雑誌で行っていたのは製品宣伝ではありませんでした。農業技術や農場経営、新しい栽培方法など、農家にとって役立つ情報を提供していたのです。
現在の言葉で言えば、まさにコンテンツマーケティングです。
興味深いのは、この取り組みがデジタル時代よりはるか以前から行われていたことです。私たちはコンテンツマーケティングをブログやSNSと結び付けて考えがちですが、本質はそこにはありません。
John Deereが伝えていたのは、「私たちの商品を買ってください」というメッセージではなく、「どうすれば農業経営を成功させられるか」という知識でした。
つまり、企業が顧客の成功を支援する情報を届け、その結果として信頼を築くという考え方は、100年以上前から存在していたのです。この事例は、コンテンツマーケティングの出発点が広告ではなく、顧客との関係づくりにあったことを示しています。
2.企業はメディア的な役割を担い始めた
記事では、企業がコンテンツを発信しやすくなった背景についても説明されています。
かつて企業が情報発信を行うには、いくつもの障壁がありました。企業が発信する情報は信頼されにくく、編集者やライターのような専門人材も限られていました。さらに、雑誌や新聞を発行するためには大きな投資が必要でした。
しかしインターネットの普及によって状況は大きく変わります。
記事内では、B2B企業のコンテンツ活用状況を示した調査結果も紹介されています。記事、ブログ、メールマガジン、ケーススタディ、動画、ウェビナーなど、多くの企業がすでにさまざまな形式でコンテンツを発信していました。
Pulizzi氏は、メディア企業とその他の企業の違いは「収益を得る方法」だと説明しています。メディア企業はコンテンツそのものから収益を得ます。その他の企業は、コンテンツを通じて顧客との関係を築き、その先の事業成果につなげます。
収益モデルは異なりますが、価値あるコンテンツを継続的に制作し、読者の関心を集めるという活動そのものは非常によく似ています。つまり、企業はすでにメディアのような存在になっていたのです。
3.企業はなぜストーリーを語るのか?

この記事の中心にあるのがストーリーテリングです。多くの企業はSEO対策やSNS運用、リード獲得施策に取り組んでいます。しかしPulizzi氏は、それらを支える土台がストーリーテリングであると考えていました。
検索で見つけてもらうことは重要です。しかし読者の心に残らなければ意味はありません。
SNSで拡散されることも重要です。しかし共感されなければ記憶には残りません。資料請求や問い合わせにつながったとしても、その企業への信頼が生まれなければ関係は続きません。
だからこそPulizzi氏は、「ソーシャルメディア戦略の前にコンテンツ戦略がある」と述べています。
企業が発信するべきなのは、単なる商品情報ではありません。
・顧客が抱える課題
・業界の変化
・企業が積み重ねてきた経験
・顧客が成功するための知識
そうした情報を、相手が理解しやすい形で届けることが重要なのです。
John Deereの「The Furrow」も同じでした。農機具の性能を語るのではなく、農家が成功するための知識を届けていました。そこで語られていたのは製品ではなく、顧客の成功の物語だったのです。
4.最大の課題は今も変わらない
記事の最後では、企業が抱えるコンテンツマーケティングの課題について調査結果が紹介されています。
最も多かった回答は、「顧客を惹きつけるコンテンツを作ること」でした。興味深いのは、「十分な量のコンテンツを作ること」や「制作予算」よりも大きな課題として挙げられていたことです。
つまり企業は2011年の時点で、量よりも質に悩んでいたのです。これは現在でもほとんど変わっていません。
AIによってコンテンツを作ることは簡単になりました。しかし、人の関心を引きつけ、最後まで読んでもらい、信頼を築くコンテンツを作ることは依然として難しいままです。
だからこそ、ストーリーテリングが重要になります。単に情報を並べるだけではなく、その情報に意味を与えること。顧客の課題や成功と結び付けて伝えること。それが、コンテンツを単なる情報から価値ある体験へと変えていきます。
Pulizzi氏が語っていた課題は、14年以上経った現在でもほとんど変わっていないのです。
まとめ:企業は物語を届ける
今回の記事はコンテンツマーケティングの歴史を振り返る内容でした。しかし、その本質は歴史の紹介ではありません。
John DeereのThe Furrowから始まり、企業のメディア化、そしてストーリーテリングの重要性へと話は続いていきます。そこで一貫して語られているのは、企業は単に情報を発信する存在ではないということです。
企業は顧客の課題を理解し、知識や経験を共有し、成功を支援する存在です。そのために必要なのがストーリーでした。
技術は変わります。プラットフォームも変わります。AIによってコンテンツ制作の方法も変わり続けています。しかし、人が物語を通じて理解し、共感し、信頼を築くという構造は大きく変わっていません。
だからこそ今もなお、ストーリーテリングはコンテンツマーケティングの中心にあり続けているのです。
執筆:今里
CONTENT MARKETING LAB ライター
※本記事は執筆及び画像作成にあたり、生成AIを利用しています。
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