新入社員のためのコンテンツマーケティング入門(12) コンテンツプロモーション
前回までのステップで、コンテンツを一通り完成させるまでの作業は終わりです。しかし、まだ重要な作業が残っています。作ったコンテンツを拡散させる施策です。最終回の今回は、作ったコンテンツを見つけてもらうためのコンテンツプロモーションについて紹介します。
コンテンツを広めよう
良いコンテンツを作ってウェブサイトに掲載しておけば、自然に見込客がそのコンテンツを見つけてくれるというのであれば楽なのですが、なかなかそういうわけにはいきません。良いコンテンツを機能させるためには、そのコンテンツの存在を見込客に知ってもらう必要があります。自社のコンテンツが掲載後すぐに検索結果の上位に表示されるのであれば問題ありませんが、そうでない企業は、検索エンジン経由以外でもコンテンツを見つけてもらうための施策を展開する必要があります。
この活動は、コンテンツプロモーション、あるいはコンテンツアンプリフィケーションと呼ばれます。具体的には、既にその企業と関係性が構築できている層、まだ関係性はないが潜在的な見込客である層、インターネット上で影響力のあるインフルエンサー層という3つの層に対してコンテンツを届け、コンテンツをシェアしてもらうことを狙います。
既に関係性が構築できている層とのコミュニケーション
企業が開設しているSNSアカウントをフォローしている、あるいは企業が配信しているメールマガジンに登録している層に対してコンテンツを配信する施策です。B to B企業では、名刺交換等によって獲得したメールアドレス宛に送ることも含まれます。
インフルエンサー層とのコミュニケーション
インターネット上には影響力のあるインフルエンサーが多く存在します。インフルエンサーあるいは、そのフォロワーが自社の見込客に近い存在である可能性が高いならば、直接コンタクトを取ったり、新しいコンテンツを先に提供したりすることは重要です。なぜならコンテンツが公開されると同時に、コンテンツをシェアしたり、コメントを書いたりすることができ、他社よりも先に情報を得ることができるというインフルエンサーとしての潜在的な欲望を満たすことができるからです。
まだ関係性が無い層とのコミュニケーション
まだ関係性が無い層に対しては、SNSを通した2次拡散の効果を待つか、あるいは積極的に広告するという手段があります。コンテンツマーケティングを始めて一定数の購読者を確保できるまでには約半年ほどかかりますが、その時間を短縮するためにSNS広告を使うのは有効な手段です。またSNS広告を使うのであれば、初期段階で使った方が、効果が高い場合が多いようです。
SNSでコンテンツを拡散させる方法
上記3つのコミュニケーションを成功させるために重要なのがSNSを使った施策です。SNS上で見込客に見つかりやすい状態になることを目的とします。Buzzsumo等のツールを利用すると、SNS上でのコンテンツの拡散状況を確認することができます。こういったデータも参考にしながら、自社で利用するSNSを選択していくのもよい方法です。
Buzzsumoの場合、キーワードを入力すると、そのキーワードを含んだウェブサイトをSNS上でシェア数が多い順番に表示してくれます。また、URLを入力すると、そのドメイン内でシェア数が多い順番にウェブページを表示してくれます。例えば「コンテンツマーケティング」というキーワードを入力するとFacebookでのシェア数が圧倒的ですが、当社コンテンツマーケティングラボのURLを入力すると、Twitterが健闘していることがわかります。この結果から「コンテンツマーケティング」というキーワードによってSNS上で見つかりやすい状態を作るためには、Facebookにも力を入れた方が良いのではないのかというような示唆を得ることができます。
Buzzsumoを利用してSNS上でのシェア状況を確認してみましょう。
ソーシャルシェアボタンを配置する
良いコンテンツであってもシェアする方法が手間であればシェアされにくくなります。そうならないためにソーシャルシェアボタンを配置することが重要です。ソーシャルシェアボタンはワンクリックでコンテンツ拡散ができる便利なツールです。
あまり多くアイコンを並べても、選択肢が多く逆にシェアしにくくなりますので、見込客層に合わせて優先度の高いSNSに絞る必要があります。短いコンテンツの場合は、上下どちらかに配置するだけで良いですが、長い記事のようなコンテンツの場合には、上下2カ所に配置した方がよいでしょう。スクロールしても常に表示する形式を採用するという手段もあります。
シェアしてもらいやすくするための表示方法
SNSで配信したメッセージが受け手のニュースフィード上やタイムライン上で美しく表示される方がシェアしてもらえる可能性が高くなります。画像が途中で切れているようなトリミングがおかしいメッセージを見かけることがありますが、OGP(Open Graph Protocol)と呼ばれるメタデータを設定すれば、意図した通りに表示することができます。SNSによってコントロールできる要素が多少違いますので、各社の設定方法説明ページを確認してメタデータを記述しましょう。
Facebook
https://developers.facebook.com/docs/sharing/webmasters#markup
Twitter
https://dev.twitter.com/ja/cards/overview
コンテンツを作り上げるまでには、それなりの労力が必要ですから、ウェブサイトにアップして満足してしまい、何もしないというケースも見受けられます。しかし、少し手間をかけて、作ったコンテンツをプロモーションするだけで、見つけてもらえる確率が大きく向上します。コンテンツマーケティングを成功させるために、コンテンツプロモーションまでをワンセットにしてPDCAを回していくことをお勧めします。
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以下はアメリカでコンテンツマーケティングが盛り上がり始めた2012年に行ったインタビューの記事です。コンテンツマーケティング初期の記事なのでこれからコンテンツマーケティングについて勉強したい方に分かりやすい内容になっています。
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