【レポート】UUUMが考える、インフルエンサーマーケティング

  • 【レポート】UUUMが考える、インフルエンサーマーケティング
  • 2019年11月28日に開催された、『CONTENT MARKETING DAY 2019』https://lp.contentmarketinglab.jp/cmd2019 のBtoCセッション〜UUUMが考える、インフルエンサーマーケティングのコツ〜より

HIKAKINやはじめしゃちょーなど、多くの動画クリエイターやインフルエンサーをマネジメント・サポートする、UUUM株式会社取締役の中尾氏に、コミュニティづくりやファン獲得戦略についてご紹介いただきました。

冒頭、中尾氏は『インフルエンサーマーケティングのコツはいくつかありますが、その一部をご紹介します』と前置きをし、前半はUUUM社の取り組みや事例が紹介されました。

UUUM株式会社 取締役 中尾充宏 氏

UUUMが取り組んでいること

“セカイにコドモゴコロを”という経営理念を掲げ、サポートするチャンネル数は8,000を超えるコンテンツカンパニーであるUUUM。

まず、中尾氏は前提として、「時代の変化」について説明した。

これまでは「皆が同じものを見て同じものを買う時代」であり、主な情報源はテレビやランキングサイトであった。それに対して、現在は「多様化の時代」であり、主な情報源はソーシャルメディアや動画・写真投稿SNSなどになっている。つまり、『マスから個人に経済全体がシフトしている』と説明。

その背景から、『個人経済圏の拡大する時代の中で、クリエイターやインフルエンサーのサポートのインフラとして圧倒的No1を目指している』と、UUUMの取り組みを紹介した。

日本コカ・コーラ社と実施したタイアップキャンペーン「東京2020オリンピック聖火ランナー公募キャンペーン」の、HikakinTVに公開したタイアップ動画の再生回数は1,000万回を超えています。(2020年3月現在)

クリエイターをサポートする取り組みとしては、

  • 動画撮影・編集サポート
  • ノウハウ提供・教育機会の提供
  • ファンエンゲージメント強化
  • 収益機会の提供
  • やりたいことの実現
  • バックヤード、資産運用サポート
  • コンテンツ管理

などを行っているという。

その上で、イベントやグッズ販売、ゲーム、タイアップ企画などの事例について紹介された。

※以下は実際にセッションで紹介された事例の一部をピックアップ

【イベント】U-FES.2018(動員数28,000人)
https://youtu.be/ZioLLSPxZfw

【ゲーム】青鬼ONLINE(300万DL)
https://aoonionline.uuum.jp/

 

インフルエンサーマーケティングの定義

前半はUUUMの取り組みや事例が紹介され、セッションの本題である「インフルエンサーマーケティングのコツ」について、後半は話が進んだ。

まず、中尾氏は『インフルエンサーマーケティングの定義』について説明。

それは、『影響力ある人が体験をして情報伝達すること』であり、

  • インフルエンサーが体験
  • その体験を映像にして視聴者に提供
  • 視聴者が擬似体験する

というプロセスが次世代のマーケティングにおいては重要である、と説明した。

中尾氏は、そのマーケティングの考え方を独自のフレームワーク『AITAS』(アイタス)で定義した。

Attention:認知

Interest:興味

Try:体験(インフルエンサー)

Again:体験(視聴者)

Share:共有

さらに、メディアが多様化し、ターゲティングの精度が向上した現在のマーケティングの先にあるのは、「トライブ化」であると説明された。※トライブは「部族」という意味。

例えば、ゴルフ、野球、料理、釣り、メイクは現在、マスメディアで展開されているだろうか?という問いに対して、これまでマスであったコンテンツだが、今はトライブ化して展開されているコンテンツである、と中尾氏は答えた。

①未経験者・無関心層(ターゲットファン層)に対して、②体験=自分ごと化(インフルエンサーからのメッセージ)により、③コアカスタマ(将来のカスタマ)になっていくプロセスを『トライブマーケティング』と定義した。

UUUMが考える「インフルエンサーマーケティングの成功」とは?

インフルエンサーマーケティングに従事するマーケターに対して『インフルエンサーの多くは「企業」ではなく「個人」である』と説明。

そして、
「相手が個人であると理解する」と「個人がやりたいこと/嫌なことを理解する」ことが重要と説いた。

企業間ビジネスであり、マーケティング予算を持つのはクライアント側であることは事実である。
しかし、『個人に対してクライアント企業の伝えたいことを押し付けてしまうとどうなるか?』という問いに、

『建設的なコミュニケーションをした上で、より良いコンテンツを配信するためには個人の理解が重要であり、それらを無視してしまうと、コンテンツが劣化していくリスクやその個人の価値を毀損する可能性がある』と中尾氏は答えた。

『クリエイター一人ひとりに個性がある。』
そのため、『クリエイターのつくっているコンテンツをみていただき、その人の思考や特性を理解してほしい。個人への理解が熱狂を呼び、影響力が最大化する。』と中尾氏はインフルエンサーマーケティングのコツを会場全体に投げかけて、セッションは終了した。

セッション全体を通して、筆者が感じたポイントは

①クリエイターファーストであること
②技術やマーケティングの考え方は進化しているが、本質は人であることの2点の重要性を感じました。

クリエイターが熱量を持って体験する。その熱量に対して我々ユーザーは心を動かされて擬似体験する。
商品やサービス自体が持つ「機能的な価値の理解」は大事でありますが、それ以上にインフルエンサーマーケティングにおいては人が持つ「情緒的な価値への共感」がより大事であると思いました。

「人」の理解はマーケターとしての本質であり、それはクリエイターだけでなく、ユーザー、クライアント、パートナー、スタッフメンバーなど、さまざまなステークホルダーの理解があって、より良いマーケティング活動ができるのだと感じる貴重なセッションでした。

執筆:萬里小路 忠昭

思考設計士 | CONTENT MARKETING ACADEMY 特任講師
デジタルハリウッド大学院デジタルコンテンツ研究科修了(デジタルコンテンツマネジメント修士)

2010年ゼビオ株式会社に新卒入社し、店舗・ECサイトの運営やデジタルマーケティングのディレクションを担当。
2018年GMOアドマーケティングに転職し、約200社にマーケティング戦略に関するワークショップセミナーを実施。
2020年独立し、「マーケティングが機能する組織」をテーマに、チームビルディング支援やリーダーシップ研修を行っている。

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※リンク先は、CMD2019メディアスポンサー「エムタメ!」によるレポート記事です。

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