1.人の興味を引きつけやすい
紙とデジタル媒体では、受け取った時の印象は紙のほうが強い。たとえば、Joe Pulizzi氏の場合、メールと手紙では手紙の方のほうが目にとまりやすく、内容にも注目するという。人々が受け取る印刷物の数が減少し、個々の紙媒体に対する注目度が高くなっている今だからこそ、紙媒体に大いなるチャンスがある、ともえられる。
2.顧客維持に役立つ
企業が顧客に向けて発行する紙媒体は、従来から顧客維持のために利用されてきた。先日のCMIウェブセミナーで、AnnuitasグループCEO、カルロス・イタルゴ氏は「昨今のマーケティング担当者が抱える最大の問題は、商品購入決定後の顧客育成にまで頭がまわっていないことだ」と語ったが、紙媒体こそこの問題を解決する手段なのだ。
3.新たな購読者リスト作りの必要がない
通常、雑誌を創刊するには購読者を一から獲得するため、巨額の資金が必要となる。しかし企業誌ともなれば話は別だ。既に所有している顧客メーリングリストを利用すれば、新たに雑誌を届ける読者を開拓する必要がない。これは媒体として大きなアドバンテージだ。
4.温故知新
今やSNSやiPadを使ったマーケティングは当たり前のものとなり、多くのマーケターたちは新しい手法を探している。デジタルメディアが陳腐化しつつある今だからこそ、紙媒体はむしろ新鮮な手段なのだ。
5.顧客は“答え”だけでなく、“問いかけ”を探している
インターネットにはあらゆる疑問やニーズに対する答えが用意されている。だが、何を問いかければいいかわからないときは、どうすればいいのだろうか。あるパブリッシャーはこう語る。「ウェブには答えが、紙メディアには問いかけがある」。読んだ記事の内容に対し、じっくり考え、枠にとらわれずに思いをめぐらせる機会を与えてくれるのが紙媒体なのである。つまり、インターネットが人々を「能動的かつ、情報に前のめりにさせる」ものだとすれば、紙媒体は「得た情報にもたれかかり、じっくり疑問やニーズを考えさせる」ものだといえるだろう。
6.紙は人々を興奮させる
とある記者によると、このところオンラインメディア掲載のインタビュー許可を取ることが、難しくなってきているのだとか。しかし、そのインタビューが将来的に紙媒体に掲載されると伝えるやいなや、エグゼクティブたちはスケジュールを調整しはじめるのだという。多くの人々にはいまだに、紙に印刷された活字はウェブのそれよりも信頼がおける、と考えているのだ。
7.紙メディアは、人々をデジタル媒体から解放する
最近、意識的にデジタルメディアから距離を置こうとする人が増えている。スマートフォンやパソコンといったデジタル機器、そしてFacebookなどのSNSとあえて接触せず、書籍や雑誌に親しむ時間の重要性を感じ始めているのだ。このようなニーズに対し、紙メディアが重要な役割を果たすのは間違いない。