CONTENT MARKETING LAB

共感・共有を促す!13の型からはじめるブログ記事の書き方

作成者: CML|Dec 9, 2014 7:48:00 AM

ブログはコンテンツマーケティングにおいて大きな力を発揮する手法の一つだ。簡単に情報発信ができるという特性をうまく活かすためには、いかに頻繁に、かつ継続的に「興味深い記事」を発信し続けることができるかがポイントだ。とはいえ、言うは易く行うは難し。コンテンツ制作者にとって、更新の度に「どのような切り口で」コンテンツを用意するか考えることが、悩みの種になっているケースも多いだろう。

そこで、今回取り上げるのが、Content Marketing World 2014で開催されたセミナーの一つ「How to Write Blog Posts that Get Read and Shared(読者を惹きつけ、シェアされるブログ記事の書き方)」で紹介された、共感を呼び起こし、他の人にも共有されやすいブログ記事の「13の型」だ。

セミナーの登壇者は、マーケティング会社のCEOであるGini Dietrich氏。同氏が所属するArment Dietrich社のブログメディア「SPINSUCKS」には、マーケターやPR担当者にとって関心の高い記事が日々投稿されており、業界内でもよく知られる存在となっている。

Dietrich氏が自社媒体の成功体験から、読者を飽きさせないブログ記事を制作するために活用すべきだと語った「13の型」とはどのようなものなのか――そのエッセンスをここでご紹介しよう。

読者を飽きさせないブログ記事作成に役立つ、「13の型」

1.The Manifesto(宣言文)

一年の始まりなど、何かの節目のタイミングで、目標や意思を表明する型。今までの振り返りと今後の方針について語ることで、注目と期待感を高める方法だ。ポイントとしては、「今年の自分を表す“3つのキーワード”」という例のように、ただ主張したい内容を淡々と綴るのではなく、キーワードや出来事、日付など、インパクトのある切り口を添えて表現し、面白く語ること。他のブログとひと味違う展開で、ありがちな「宣言文」も差別化を図ることが可能だ。

2.The Debate(議論)

投稿したブログ記事に対する他ブロガーからの意見や反論を活用し、議論を繰り広げるという型。多くのメディアは炎上を避けるためにも、反論コメントに対して意見を交わすことを恐れてしまいがちだが、「あえて向き合い、上手く活用することで、読者を惹きつけることができる」とDietrich氏は語った。議論を繰り広げることは、次の展開への期待感を持たせ、読み手の関心を長く維持することができる。また、議論を交わす相手のブログやメディアに関わる人たちの注目も集めることができ、新たな読者を増やす効果も期待できるだろう。

3.The Good(成功事例の紹介)

売上が伸びた、顧客満足度が上がった、話題を呼んだ、などさまざまな観点から成功だったと呼べる事例を紹介する型。ここでポイントとなるのは、ただ事実を取り上げるだけでなく、「なぜ良かったのか」を分析し、自社の考えをしっかりと語ること。専門家としての目線から見解を述べることで、「業界内のオピニオンリーダー」(Thought leader)としてのポジションを確立することができる。

4.The Bad(失敗事例の紹介)

上記の「The Good(成功事例の紹介)」とは逆に、売上が下がってしまった、企業の信頼を失墜させた、社会的に批判されたなど、さまざまな観点から良くないと思われる事例を取り上げ、そこから得られる学びを説く型。悪い点を指摘するだけでは単なるバッシング記事になってしまうが、「なぜ悪かったのか」を客観的に解説、どう改善をすべきかを語ることで、特定の分野における専門的な知識や課題解決力を示すことができる。

5.The Ugly(不道徳に対する批評)

話題性を高めようとするあまり、大きな災害や著名人の死が過剰に取り上げられることがある。こういった道徳的によいと思われない風潮を指摘する型。道徳的観点から評価を伝えることで、自社が果たす社会的責任や企業姿勢を押し付けがましくないトーンで表現できる。

6.The Lists(まとめ記事)

特定のテーマに基づき、他メディアで掲載されている記事をピックアップし、まとめる型。セミナー登壇者であるDietrich氏は、「あまりにもシンプルであるだけに頼りすぎたくはない手法だとコメントしたが、その一方で、多くの人々が自分の探している情報を誰かにわかりやすくまとめてもらいたいと思っていることも事実だ」と語っていた。まとめ記事を制作することは、短時間でおおまかな情報収集をしたいというニーズをもった読者の流入を増やすことができると同時に、その分野における第一人者としてのポジションを確立することにもつながる。

7.Ranked Lists(ランキング)

特定のテーマに関するランキングを紹介する型。(6)のThe Lists(まとめ記事)と同様にシンプルな手法ではあるが、読者にとっては気になっているテーマに関する評価を、採点軸で知ることができる利便性の高いコンテンツだ。また、面白い切り口を評価軸としたランキングであれば、誰かに共有したいという気持ちを生みだし、コンテンツの拡散にもつなげることができるだろう。

8.Something of the Year(今年の●●)

一年を振り返り、特定のテーマでもっとも高く評価されたものをアワード形式で紹介する型。(1)のManifesto(宣言文)が年の始まりに多いのに対し、この手法は年の締めくくりに最適なコンテンツだ。 一年の情報がわかりやすく編集されているだけでなく、時事性が高いので、SNSなどでもシェアされやすい型でもある。

9.Book Review(書籍のレビュー)

書籍のレビューを掲載する型は、実は新たな読者を増やすという点で、大変効果的だ。取り上げた書籍のファンがブログ記事をチェックしてくれたり、著者自身がブログ記事をSNSでシェアしてくれたりすることで、今まで接点のなかった層の人々とのつながりが生まれ、新たな読者を獲得することができる。

10.Interviews(インタビュー)

インタビューを掲載する型も、有効な方法だ。書籍のレビューと同様、インタビュー対象者のファンがブログ記事を読んでくれたり、対象者がSNSで記事をシェアしてくれたりすることで、新たな読者の獲得が期待できる。

11.「Parables(たとえ話)

宗教上の教え、昔話、ことわざなどに例えることで、情報をわかりやすく伝える型。誰もが知っている教訓になぞらえて説明することで、難しいテーマや複雑な情報もわかりやすく説明することができ、共感を生み出しやすい。

12.「Trends(トレンド紹介)

市場動向を客観的に研究・分析し、自社の見解や予測を添えて展開する型。傾向を紐解き解説を加えることで、そのテーマに関する専門知識を披露し、第一人者のポジションを確立することができる。また、トレンド紹介はニュースメディアなどでも取り上げられやすく、新たな読者獲得にもつながるだろう。

13.「Smarty Pants(知ったかぶり風の記事)

ストレートな表現でまじめに解説する、というだけでは読者の興味を惹くことはできない。読者を惹きつけ、「読んでみたい!」と思わせるような、面白い発想や言葉遊びなどを取り入れるのが最後の型だ。セミナーで好例として取り上げられていたのが、「絶対に効果が出る11のSEOワード」という記事。SEOに関わる人間なら、「“絶対に”効果が出る」ワードなど存在しないことは当然知っているが、それを考慮した上でわざと冗談めかしたタイトルをつけ、読者の関心をあおるというもの。ブログ記事の中では、そのようなものは存在しないことを明らかにしつつ、自社のSEOへの考え方や主張をしっかりと伝えている。

「13の型」の活用によって、メディアを成長させることが可能に

セミナーでは、これら「13の型」をバランスよく活用すれば、継続的な更新においても記事がマンネリ化せず、読者と深いエンゲージメントを図ることができると語られていた。伝えたい内容より魅力的な記事に仕上げることで読者の心を掴み、共感から共有を生み出すことで、メディアを成長させることができるのだとDietrich氏はセミナーを締めくくった。