編集者やライターと呼ばれる、コンテンツ制作のプロたちが最も重視しているのは「見出し」、つまり記事の「タイトル」であると言って過言ではないだろう。ウェブで発信するコンテンツならば尚更のこと。読者はその記事へのリンクをクリックするか否かを、大概そのタイトルだけで判断するからだ。
コンテンツマーケターにとってもタイトルの重要性は同じ。タイトルは記事やウェブサイトのPV数を大きく左右するだけでなく、その記事が読まれるか否かによって、読者のコンテキストに及ぼす影響の度合いが変わってくると言えるだろう。
タイトルの重要性をあらためてご確認いただいた上で、ライターのROGER C. PARKER氏がCONTENT MARKETING INSTITUTE(以下、CMI)に寄せた「Write the Best Titles for Content Marketing: A 10-Point Checklist(コンテンツマーケティングにおいて最高のタイトルを付けるための10のチェックリスト)」というブログ記事をご紹介したい。
40冊を超えるデザイン、マーケティングに関するベストセラー本を執筆してきた彼から、その芸を学ぼう。
「何について書かれているか」だけでなく、そのコンテンツによって「読者がどんなメリットを得られるか」にまで踏み込んだ表現にすることで、より関心を惹きつけることができるはずだ。
もっとも効果的なのは“数字”を入れたタイトルにすること。信頼性が増すことはもちろん、「●日間で5kg痩せる方法」など時間を区切ったり、「~するための●ステップ」など目標達成までのステップの数を明示したりすることで、タイトルがぐっと引きのあるものになる。
誰のために書かれたコンテンツなのかを、可能な限りタイトルで明確にしておくことが大切だ。「コンサルタントのための~」など職業で絞り込むもよし、「シングルマザーのための~」など状況で絞り込むもよし。あえて、「デザイナーではない人向けの~」など“該当しない”ターゲット像で絞り込むのも効果的だ。
CMIの記事では、「~for Dummies(偽物向け)」シリーズの書籍を引き合いに出して、このポイントを説明している。この事例では、“その道のプロ”に対して情報を発信するのではなく、“プロではない人”に向けた情報発信に絞り込み、その道のプロをおもしろおかしく書くことで、それ以外の人たちを惹きつけているのだ。
読者の目を惹きつけるための方法として、3つが挙げられている。1つ目は「たとえ話」で理解しやすく、記憶に残りやすくすること。2つ目は「韻を踏む」言葉選びで、覚えやすくすること。3つ目は、「予想外な表現」により好奇心を掻き立てることである。
行動を促す動詞を使うことで、狙った読者への行動喚起が可能になる。つまり、どのような動詞を選ぶかが、読者の行動を決める重要な役割を担う。
簡潔がタイトルであればあるほど、ひと文字ひと文字の持つ力は強いものになる。
短いタイトルと長めのサブタイトルを組み合わせること。それが、インパクトを持ちながら、しっかりと情報を伝えられるフォーマットである。
タイトルやサブタイトルに、狙った読者が検索時に使うであろうキーワード・キーフレーズを使うこと。検索エンジンからの訪問者数が増え、購読数、ダウンロード数、購入機会の底上げにつながる。
ここまでにご紹介したポイントを2つ、あるいはそれ以上組み合わせてタイトルを考えてみること。実際、素晴らしいタイトルには複数のテクニックが組み合わされているものが多い。
CMIのブログ記事では、ROGER C. PARKER氏が作成したタイトル評価スコアカードをダウンロードすることができる。まずはこのカードに基づいて、毎日自身がウェブで目にするニュースやブログの記事、図書館や書店で目にする書籍のタイトルを分析してみよう。日常的に繰り返すうちに、あなたの「タイトル力」は養われるに違いない。