9月のトピック
企業サイト内でのブログがコンテンツマーケティングの主流である一方で、それらのコンテンツを未知の読者に届ける方法として、企業サイト外のプラットフォームで同時展開を図ることは非常に重要である。数あるプラットフォームの中で、その価値を再評価したいのが「Slideshare(http://www.slideshare.net/)」だ。実際、HubSpotやTwilioなどは、より多くのリードを育成するためにこのプラットフォームを利用したスライドショーコンテンツの発信に力を入れ始めている。この記事では、SlideShareを活用する際に参考にしたい10のポイントが紹介されている。
SlideShareユーザーには、大企業の意思決定者や小企業経営者などが多い。彼らに対して「専門的」な情報を直接発信できることは、BtoBマーケティングを考える上でSlideShareを活用する大きなメリットとなる。
タイトルスライドを見て、読者は何についてのプレゼンテーションかを知り、関心を持つ。だからこそわかりやすいことはもちろん、一般的で退屈なものを避け、特化した切り口にすることで、クリック率を高めることが大切だ。
スライドの最後に企業サイトトップにリンクさせる一般的なCall-to-Actionはに加え、Call for more content(さらに知りたくなる)を生み出すコンテンツづくりを目指したい。充実した情報を発信し、「今後、さらなる情報をチェックしたいと思うかどうか」を読者に尋ねるCall-to-Actionで終わるという手法がおすすめだ。
より多くの新規読者に閲覧してもらうことでSlideShare内で検索される機会も増え、トップページで取り上げられる機会獲得=ビジネスチャンスの拡大につながる。
SlideShare上では60枚以上の「長い」コンテンツがその効果を発揮する。含まれるべきものは、チャート・グラフ・視覚的分析結果などのデータ関連コンテンツ。専門的知識へのニーズが高い読者の特性を考えると、当然のことである。
視覚に訴えるコンテンツ発信であるだけに、デザイン要素が重要であることは言うまでもない。適切にデザインされたスライドは、プレゼンテーションに魅力とエンターテイメント性を加えてくれるだけでなく、正当性・信頼性・専門性をも加えてくれるものであることを忘れてはいけない。
関連検索されることを考慮したキーワードを設定することも大切だ。
SlideShareの素晴らしい点は、フリーリソースやブログから、既存のコンテンツをピックアップし、ビジュアル化することで再活用できることにある。
プレゼンテーションの最後にオプトインフォームを組み込むことで、SlideShare上あるいはゲスト投稿からリードを獲得することができる。
テキストだけの情報よりもマルチメディアコンテンツの方がシェアされやすい。だからスライドシェア用のコンテンツもEメールを使ってシェアされる確率を高めるべきである。
企業のマーケティング活動はTwitterやFacebookに移行し、ブログでのコンテンツマーケティングを行う企業が昨年よりも減少しているという声がある一方、アメリカ国内で急成長を遂げている500社のうち、多くの企業がブログを活用したコンテンツマーケティングを実践しているという事実にCMIは着目。この記事では、注目すべきいくつかの企業を例に挙げ、その活用法を紹介している。
女性向けアパレルショップ。毎日(あるいはそれ以上の頻度で)業界のトレンドを紹介。美しいビジュアルとスタイリッシュな文章で読者を惹きつける。Instagram上で30万を超えるフォロワー、Facebook上で50万近い読者を獲得。
貨物輸送会社。週刊で発信されているブログでは、ハリケーンやフットボールなどの人々の関心ごとと物流を関連付け、自社の強みや物流業界の裏側をわかりやすく訴求している。
マーケティングソフトウェアを扱う会社。コンテンツマーケティングのあらゆる手法を使って、購買ファネル上の各ステージに合わせたコンテンツを提供。驚くほどのフォロワーを持ち、業界での注目度も高い。
ターゲッティング広告会社。独自調査、ホワイトペーパー、ブログ等を組み合わせてコンテンツを配信することで、大幅成長をマーク。
マーケティングオートメーションソフトのベンダー。毎週ウェビナーを開催。また、動画、ホワイトペーパー、ブログを活用し、見込み客や顧客への継続的な啓蒙活動を実施。
ソフトウェアコンサルティング会社。自社ブログを持っていないものの、GiveCampと呼ばれる年間イベントプログラムを実施することで、人から人への口コミで自社の情報を確実に広げることに成功している。
マーケティングツールを提供するベンチャー企業。インバウンドマーケティングのモデル企業でもあり、ブログ、インフォグラフィック、調査資料、ニュースレター、出版本に至るまで、読者に役立つ情報を大量に提供することで、集客を伸ばし、売上げを向上させている。
「文章」よりも、6万倍も速いスピードで脳内処理することが可能と言われている「ビジュアル」情報。多くの情報があふれる現代社会において、多忙な毎日を送る読者に対して、多くの情報をしっかり理解してもらいたいときに大きな力を発揮するのが「インフォグラフィック」である。CMIの記事では、ネット上で多くの人のシェアを生み、話題を呼ぶ。優れたインフォグラフィックを制作する方法について21のポイントが挙げられている。
【制作前】
1. まずはプロセス設計図・スケジュール・簡単なプロモーションプランをつくること。
2. ただアイデアを形にするのではなく、ゴールを設定して逆算式で作業を進めること。
3. ターゲットを具体的に思い描くこと。
4. プロスペクトのプロフィールをたくさん集めること。
5. すべてのSNSにおいてプロスペクトをフォローすること。
6. 表現しようとする内容に関して、綿密にリサーチをすること。
7. ブレストの段階でプロスペクトを巻き込み、意見を募ること。
8. プロスペクトの意見ばかりに左右されず、自分の意見も持つこと。
9. インフォグラフィックという形態が最適なコンテンツか再検討すること。
【制作段階】
10. 可能な限りテーマを絞り込み具体的にすること。
11. 可能であればタイムリーな話題を扱い、そうでなければ普遍的な話題にすること。
12. シンプルでラフなスケッチから描き始めること。
13. ラフスケッチの段階で、ターゲットの意見を聞いてみること。
14. プロのデザイナーに依頼し、意見を押し付けるのではなく共有して作業を進めること。
【制作後】
15. 影響力を持つ人物をピックアップし、その人達だけが制作したインフォグラフィックにアクセスできるようにすること。
16. ブログに投稿すること。
17. SNSを通して多くの人に働きかけること。
18. メールでのアナウンスも忘れないこと。
19. StumbleUpon(関心あるサイトやページに、より感覚的に行き着けるブックマークサービス)を試してみること。
20. インフォグラフィックをブログに掲載してくれているが、リンクを張っていない読者を探すこと。
21. 未来への投資としてジャーナリスト、ブロガーなど、関わった人すべてに感謝し、いい関係を築いておくこと。
これらの項目を満たしたインフォグラフィックは、多くの人に閲覧され、同時に多くのシェアを生み出すはずだ。ネットでの拡大を急激に加速し、設定したゴールに多大なインパクトを与えてくれる、優れたインフォグラフィック。コンテンツマーケターにとってうまく活用したいツールである。