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新入社員のためのコンテンツマーケティング入門(10) ファクト収集

作成者: CML|Jan 31, 2017 2:27:00 AM

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ファクトでコンテンツを補強する

ペルソナ設定から始めてコンテンツマーケティング戦略を完成させ、必要なコンテンツのテーマや切り口を発見できたとしても、コンテンツを作成するためにはまだ情報が不足しています。よりよいコンテンツに仕上げるために必要なのがファクトですが、その収集には、FAQやお客様の声を利用する、口コミサイトを利用する、現場観察・取材を行うという3つの手法があります。

FAQやお客様の声を利用する

まず一番簡単に始められるのが、自社に集まったお客様からの疑問や質問を整理することです。既にFAQとしてまとめられていればその情報が使えますし、まだFAQ化されていなかったとしても、営業マン、コールセンター、お客様相談室などに集まった情報を活用することができます。集めた情報をヒントにコンテンツテーマを肉付けしてコンテンツ化してみるとよいでしょう。

コンテンツマーケティングの事例として有名ですが、アメリカバージニア州にあるRiver Pools and Spas社は、お客様から寄せられる質問に対する答えをコンテンツ化することにより、大きく成長したプール施工会社です。

何かわからないことがあればウェブで検索する。しかし、そこに現れるのは質問に対する答えではなく、商品の売り込みである場合が多い。それでは、疑問を持った消費者の本当の悩みを解決できていないのではないか。質問に対してきちんと向き合って答え続ければ、見込客を惹きつけられるのではないかと考え、同社はひたすら、自社に寄せられる質問に対して答えるコンテンツを用意し続けました。

この結果、リーマンショックで落ち込んだ売上を、リーマンショック前の売上以上に伸ばすことができたそうです。事業を共同経営者に譲り、現在コンサルタントをしている社長のマーカスによれば、実はどんな会社であっても、数人でブレストをすれば、30分で少なくとも100個は疑問や質問が集まると言っています。

River Pools and Spas社のウェブサイト

ECサイトや評価サイトを利用する

実際の店舗を回る時間がない場合、自社の商品や類似商品がアマゾンや楽天などのECサイトや価格.comに掲載されているのであれば、そのレビューを全て収集してみるとよいでしょう。ノイズも多いのですが、意外なヒントを見つけることができます。自社商品だけでなく、競合商品のレビューを収集するとさらに有益な情報を得ることができます。

店頭取材を行う

効くコンテンツづくりのためには、ペルソナになりきって、現場をもう一度見ていく必要があります。なりきる事で意外な事実を発見し、より良いコンテンツ作成のヒントを得ることができます。一番効果的な方法は、例えECで完結している商品であっても、その商品あるいは類似の商品を売っている店舗にペルソナになりきって行ってみることです。

事前にインタビューシナリオを用意しておけば、セールスマンとのやりとりの中で、ペルソナが実際にどういう心理状況におかれ、どういう疑問を抱くのかについて実感することができます。この実感がコンテンツを作成する際に役立ちます。

  1. 店頭取材の手順

    まず、設定したペルソナの属性情報を確認します。ペルソナ情報をまとめた事前確認シートなどを用意しておくと便利です。この時重要なのは、商品の認知レベルです。自分自身は完全に商品の事を理解している必要がありますが、セールスマンとのやりとり時には設定したペルソナの商品認知レベルで会話をする必要があります。また専門用語についてのレベルもペルソナに合わせる必要があります。店舗によって会話の展開方法が違う場合がありますので、可能な場合は数店舗回ると、より有益な情報を集めることができます。

    取材が終わったら、セールスマンとの会話を全て文字に書き起こしてみましょう。会話の流れを文字で確認すると、鍵となったセリフや、実は不要であった情報などが見えてきます。こういった気づきは実際のコンテンツ作成に役立ちます。

    取材前に準備するシートの例

  2. お客様の行動を観察してみる。

    ペルソナになりきって取材を行う前に、店、あるいは該当商品コーナーへの人の出入りを見ているだけでも情報を得ることができます。どういった属性の人が何人訪れたのか?設定したペルソナ以外の属性で多く訪れた人はいなかったか?どういう属性の人が購入していったのかということを知るだけでも今後の施策に活かせます。

    また実際に店舗を訪れ、人の動きを観察していると、意外な商品がライバル商品となっている事実を発見したり、売れている商品がなぜ売れているのか、意外な事実を発見したりすることもあり、得られる情報が実に豊富です。人は自分の行動の理由を全て論理的に説明できるわけではありませんから、観察するというステップを取り入れることで、真のインサイトを発見できることがあります。

  3. お客様に取材してみる

    理想的なのは購入した直後のお客様や、長い時間迷っていたのに結局買わずに出て行ったお客様にインタビューすることです。この取材を実現するには色々なテクニックが必要ですが、もし実現できれば有益な情報を得ることができます。なぜその商品に決めたのか?買おうと思ってきたのか?下見に来たのに買ってしまったのはなぜか?なぜ途中であきらめたのか等の貴重な情報を得ることができます。

以上3つの方法の全て、あるいはどれか一つでも実施すれば、マーケターあるいはライター自身がペルソナの情報ニーズを肌感覚として理解できるようになり、コンテンツの質が大きく向上します。コンテンツマーケティングを成功させるためには、ロジカルな戦略と肌感覚による表現の両方を大切にしたいものです。

より詳しい内容を知りたい方は、是非下記の書籍をご一読ください。

  • Webコンテンツマーケティング サイトを成功に導く現場の教科書

    著者:株式会社日本SPセンター サイズ:B5変形判 定価:本体2,000円+税 発刊日:2015年12月18日

    ISBN:978-4-8443-6561-7

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