コンテンツオーディット(Content Audit)とは、そのまま訳すと「コンテンツ検査」となりますが、既存のコンテンツを一定の基準に照らし合わせて評価する作業を意味します。
コンテンツを一度作ってしまうと、それで満足してしまい、何年も見直すことがないというケースや、実はよく読まれているのに、単に古くなったという制作者側の気分的な理由だけで刷新されるケースが見受けられますが、それではコンテンツマーケティングを成功させることはできません。
定期的にコンテンツを評価し、各コンテンツがそれぞれに与えられた役割を果たしているかどうかを精査すれば、コンテンツマーケティングのパフォーマンスを向上させることができます。
具体的には、コンテンツを評価し、基準を満たしていないコンテンツについては、「微調整して改良する」、「同じテーマで刷新する」、あるいは「削除してしまう」等の方針を決定します。
コンテンツの評価基準については、特に決まりはありませんが、一般的には、誰に向けたコンテンツなのか、コンテンツの目的は何なのか、コンテンツが古くなっていないか、流入経路はどこか、どのページに遷移させようとしているかなどが用いられます。
では、コンテンツオーディットの具体的手順について見ていきましょう。以下の4ステップで行います。
コンテンツオーディットの第一歩は、まず全てのコンテンツを棚卸することから始まります。エクセル等を利用して、既存のコンテンツとそのURLをリストアップしていきます。ウェブサイトによっては膨大なコンテンツが格納されており、全てのコンテンツを一度にオーディットできない場合もあると思いますが、その場合は、主要なコンテンツだけ、あるいはセクション別など優先順位をつけて時期をずらして評価してもかまいません。
コンテンツの棚卸しが終わったら、それぞれのコンテンツが期待通りのパフォーマンスを発揮しているかどうかを検証していきます。評価項目はそのウェブサイトの役割によって変わりますが、基本的には意図した通りに流入し、コンテンツ接触後に意図した通りに遷移しているか、そしてコンテンツがきちんと読まれているかといった3つの視点で検証する必要があります。
コンテンツのパフォーマンスをデータや数字でシステマティックに評価した後は、文章のスタイル、読みやすさ、わかりやすさなどもチェックする必要があります。想定した見込客に対して、文章の難易度や文体、文字の大きさ、レイアウトなどが適切かどうかを評価していきます。つまりコンテンツの質を精査していくわけですが、代表的な評価基準としては以下があります。
文章のトーンや語り口、スタイルが想定見込客に合っているかどうかの基準です。堅い感じかカジュアルか、情緒的か論理的かなど、適切な文体であるかどうかを評価します。
使われている書体が想定見込客に対して適切かどうかを判断する基準です。PC、スマホ、タブレットなど想定見込客が使用する頻度が高いデバイスでのレジビリティを高めておく必要があります。
文字の大きさ、行間、文字間隔、段落幅など読みやすさを評価する指標です。読みにくいコンテンツでは離脱されてしまう可能性が高くなり、その役割を果たせません。
コンテンツの内容が見込客にとってわかりやすいかどうかの指標です。見込客にとってわかりにくい専門用語が使われていないか、逆に見込客にとってあたりまえの専門用語が、冗長な言葉になっていないか等を確認する必要があります。
さらに徹底的にやるなら、ディスクリプションは適切か、重複したページがないか、リンク切れがないか、見出しタグは適切か、画像サイズは適切かなど、いわゆるSEO内部対策的な視点でのチェックを加えてもよいでしょう。
全てのコンテンツの評価が終わったら、棚卸し表に今後の方針をまとめて、必要な対策を実施していきます。新しい商品やサービスのローンチに合わせた大改訂の際にはもちろん、最低一年に一度はサイト全体のコンテンツオーディットを行うことにより、ドメイン自体の価値を高めることができます。コンテンツマーケティングにおいては、新しいコンテンツを出すことばかりに目が行きがちですが、既存のコンテンツを改良し続けることも忘れてはいけない大切な作業です。