CTAとは、「見込客に行動を促すための呼びかけ」を意味します。(最初のCallは動詞ではなく名詞で、そのまま訳すと「行動するための呼びかけ」となります。正確な英語表現はa Call to ActionもしくはCalls to Actionとなります。)
特に目新しい考え方ではなく、広告、特に通販などのダイレクトマーケティングに必須の要素として古くからある概念です。例えば、「今すぐお電話を!」、「今すぐ申込みを!」といった呼びかけが代表的なCTAになります。人が行動を起こすにはきっかけや後押しが必要。躊躇している見込客の背中を押すことがCTAの役割となります。
ウェブサイト上では、ダウンロードボタン、次のページへ遷移するためのリンクなど、「見込客の行動=クリック」になることが多いため、「CTA=CTAボタン」の意味で使われることもあります。しかしCTAを装置としてのCTAボタンとして捉えてしまうと、赤いボタンの方がクリック率は良い、というような本質から離れた見栄えや小手先の議論に陥りがちです。
CTAをうまく機能させ、見込客を次の行動に促すためには、目立つボタンを設置するという単純な発想ではなく、コンテンツを読んでもらった後にどんな行動をとってもらいたいのか、クリックするとどんな良いことがあるのか等をきちんと設計する必要があります。
見込客にクリックをしてもらうということは、躊躇するかもしれない行動を求めることになりますから、面倒だという気持ちを上回る価値が次にあることを明示する必要があるのです。CTAチェックシートなどを用いて、「見込客に求める行動」、「なぜその行動を求めるのか」、「行動の結果どんな価値が得られるのか」等をまとめ、CTAとしての魅力度を確認する必要があります。
例えば、「スロージューサーとは」という検索ワードで検索したユーザーが、あるページに訪れたとしましょう。スロージューサーの解説と商品紹介コンテンツを用意し、購入ボタンを設置したとしてもクリックしてもらえる確率は小さいでしょう。
これは、まだ購入に必要な情報が揃っていなかったり、比較しないで買って損をするのは嫌だなど不安要素を払拭できていなかったりするのが原因です。見込客の疑問や不安を一つ一つ解決しながら、次の行動を促し、買いたい気持ちを高めてもらう必要があります。
次の行動に誘導することがCTAの役割ですから、CTAは基本的には購買プロセス間に設置されます。クリックすることにそれほど迷わないような小さなCTAを重ね、購入などの最終的なコンバージョンにスムーズに移動してもらえるよう設計することが重要となります。
購入という高いハードルを超えてもらうために、そのハードルの前に小さな階段を用意するというイメージです。ですから、CTAをつなげると、最終的にうまく購買にまで結びつくのかということを考えながら設計する必要があります。
CTAの設置箇所
KPIという言葉がウェブマーケティングの世界でも使われるようになりました。KPI(重要業績評価指標)とは、組織の目標達成度合いを計測するために、その中間過程で重要な役割を果たす因子を数値化したものです。元々はマネジメントの世界で業績を測定、評価、改善するために使われ始めた概念です。
この考え方をウェブマーケティングの世界に取り入れ、最初に書物にまとめたのがWEB解析の世界で著名なエリック・ピーターソンといわれています。彼が定義するKPIでは以下の4つの要素が重視されています。
エリック・ピーターソンが定義するKPIについてより詳しく学びたい方は下記のサイトがお勧めです。(上記の4つの要素は下記サイトから引用しています。)
エリック・ピーターソンが定義したKPIの意味からは離れ、ウェブの世界ではページビューやクリック率など、数値化できるデータ全てがKPIと呼ばれることが多いですが、本来はそのウェブサイトで達成したいゴールが設定され、その達成に重要なプロセスが設計されて初めてKPIが決まるものです。
コンテンツマーケティングにおいては、見込客が購買プロセス上を意図した通りに移動しているかどうかが重要ですから、基本的には購買プロセス間に設定されるCTAを計測可能な指標にしたものがKPIとして設定されます。例えば見込客が訪れたページで資料をダウンロードしてもらうことがCTAであるならば、ダウンロード数がKPIとなります。
コンテンツマーケティングにおいてはCTAとKPIは密接な関係にあります。見込客の行動を見ながらCTAを調整あるいは変更し、全体としての成果を高めていくことが重要ですから、一度設定したKPIをずっと使い続けるのではなく、KPIも適宜変更していくことが重要です。