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ユーザーごとのサイト動線を解析する、GA×MAの合わせ技ノウハウとは?

作成者: CML|Jan 14, 2019 12:47:00 AM
  • 寄稿記事 本記事は、ウェブマーケティングの設計・効果測定コンサルティングサービスを提供する、and,a株式会社の取締役CAO中田吉彦氏による寄稿記事です

今回はBtoBウェブサイトの動線解析がテーマです。Googleアナリティクス(GA)のユーザーエクスプローラーによって一定の動線解析はできますが、ノイズ的なユーザーも混ざってしまいます。そこでマーケティングオートメーション(MA)ツールと組み合わせて解析することで、「こういうお客さんに来てほしい」という理想のユーザーに絞った効率的な動線解析が可能になります。今回はそのノウハウと作業手順を解説します。

ユーザーの動線解析とは?

「動線」と「導線」

この原稿では「動線」と「導線」を分けて使います。一般的な定義ではなく、あくまでも、この原稿ではこう分けて使うということでご了承ください。

動線 実際にユーザーがどう動いたかの記録。Google Analyticsの解析対象となるのはこちらの「どうせん」。
導線 ユーザーにこう動いてほしいということで設置したURL間遷移の為のルート。たとえばナビゲーション、ボタン、リンク、画像、テキストなど。ウェブサイトを設計する時に「『どうせん』はこうあるべき」、という時の「どうせん」はこちら。

「動線解析」は何のために行うのか

この原稿でいう動線解析とは、ユーザーの行動パターンを分類する解析です。たとえば「こういう動きをしているユーザーが全体の〇%を占める」ということが分かれば、

  • ある状況下にあるユーザーには、次にどのコンテンツを見せたらいいのか
  • どのコンテンツにもっとコストを掛けるべきか

という判断がしやすくなります。サイトリニューアルを行う際に、改めてサイト構造を見直したいといった場合には、どうしても動線解析が必要になるのです。

この原稿は以下の条件が3つとも当てはまる(または、今後、当てはまる予定の)読者の方に向けて書かせていただきます。

  • MAツール導入済み。
  • Google Analytics(以下、GA)でウェブサイト解析を行っている。
  • ウェブサイト内のユーザー行動をパターン化して把握したい。把握した後は、サイト構造の最適化に役立てたい。

MAツールのデータを解析に使用する場合の注意点

これからご説明する作業手順は、MAツールのユーザーデータをウェブの動線解析に役立てるというものです。

ただこれは本来のMAツールの導入目的(=ユーザーをスコアリングして、個々のユーザーとのコミュニケーションを最適化する)から外れた使い方ですので、慎重に運用していただかなくてはなりません。

プライバシーポリシー担当者をはじめとする関係部署の方に相談した上で、解析を実施するかどうか判断していただく必要があります。

すでにMAツールと連係可能なウェブ解析ツールも登場していますが(例:TRENDEMON)、ウェブ解析とMAの連携は、まだ始まったばかりです。

手順1:サイトコンテンツのグループ化

今回ご紹介する作業手順の中では、Google BigQuery(Googleによるデータウェアハウス)やディープラーニング型人工知能は使用しません。人力で解析します。

人力の場合、ウェブサイト内のユーザー行動をRAWデータのまま扱おうとすると、対象となるデータ量が膨大になり、解析に時間がかかり過ぎてしまいます。

しかし解析の開始から遅くとも数週間でアウトプットが出せなければ、競合他社の動きやユーザーの関心事、業界トレンドが変わってしまう可能性があります。

そのため速くアウトプットを出すために、いくつかの“簡素化”を行います。その一つが、サイトコンテンツのグループ化です。

一般的なBtoBサイトにはこういうコンテンツがあるというのをグルーピングすると、下記のようになります。

図1: BtoBサイトを構成するコンテンツ要素アイコン化の例

この簡素化されたアイコンを使って、ユーザー動線を表すことで、解析作業がより簡潔になります。

たとえば「製品詳細」「導入事例」「コラム」などのカテゴリーは、複数ページで構成されている場合がほとんどだと思いますが、1ページずつ動線を調べていくと、作業量が膨大になってしまうので、一つのかたまりとして解析するのです。

なお、実際に解析を行う際には、もう一つ簡素化をします。それは、「解析対象は初回コンバージョン(CV)までを対象とする」という簡素化です。

たとえば「資料請求」と「お問い合わせ」という2つのコンバージョンがあったとします。

1人のユーザーについてCVが2回発生した場合(「資料請求」をした3日後に「お問い合わせ」をした等)、一連の動きを全て解析しようとすると解析作業が複雑になってしまいます。

そこで、解析対象は初回CVまでという簡素化を行います。2回目以降のCVの解析については、初回CVに至る動線解析のめどがついてから取りかかることをおすすめします。

手順2:解析対象データを営業・インサイドセールス部門と一緒に選定

MAツールには、ユーザーがCVするまでのサイト内行動データが全て保管されています。具体的には、下記のようなことが1人1人のユーザー別に記録されています。

  • 何月何日に
  • 何回サイトを訪れて
  • どのURLを何分閲覧し
  • どのようなイベント(特定のボタンをクリックしたなど)を発生させたか

ただ上記のような行動データで事足りるのであれば、MAツールは必要ありません。GAのユーザーエクスプローラーによる動線解析で十分でしょう。

わざわざMAを持ち出したのには理由があります。より効率的に解析するために、「どのユーザーのデータを解析するか」を選定する必要があるからです。

つまりMAの属性データを元に「こういうお客さんに来てほしい」という理想のユーザーを絞り込みます

解析できるユーザー数の限界

解析業務においても工数管理は重要です。1人の解析担当者が1日に解析できるユーザーの行動は10人~15人分だと考えられます。

そのため1人の解析担当者が3日間フル稼働して解析できる人数は、せいぜい50人分くらいでしょう。そう考えると、そもそも、動線解析という仕事は人力でやるには無理がある、すなわち、ディープラーニング型人工知能に任せるべき仕事ということになります。

ただし、人工知能にも苦手なことがあります。冒頭で説明させていただいた、サンプル数が少ないと、うまく「大局的な判断」にたどり着けないという問題です。いずれGoogleがAIベースの便利な解析ツールを提供してくれるのかも知れませんが(まだ、そのような予告はありませんが)、それまでは今回ご紹介するようなやり方で、なんとか工夫して乗り切るしかありません。

「こういうお客さんに来てほしかった」というデータを、営業・インサイドセールス部門と一緒に選定

ここで本題です。営業・インサイドセールス部門と共に、「こういうお客さんに来てほしい」という理想のユーザーを抽出していきます。

資料請求のCVを例に考えて見ましょう。

成約の可能性がなく、ナーチャリングの対象にならないノイズデータの一例として、企業ドメインを含まないメールアドレスを使ってライバル企業が資料請求することもありますし、冷やかし的な資料請求もあります。

GAのユーザーエクスプローラーのデータしか見ていないと、こういうユーザーも動線解析対象になってしまいます。

「こういうお客さんに来てほしい」というデータをGAから取り出すことも可能ではあります。GAと外部データベースを連携させるのです。

しかしMAツールを使えば、「こういうお客さんに来てほしい」というデータの選別がより容易にできます(ただし、解析してもいいかどうかは、冒頭で申し上げたように、関係部署にご相談ください)。

なぜならMAツールでは前出のサイト内の行動データに、下記のような属性データも紐付けることができるからです(必須項目に設定していない場合は、取れないデータもあります)。

  • メールアドレス
  • 所属企業名
  • 業種
  • 従業員人数(企業の規模を区分するのに使用)
  • 所属部署
  • 役職
  • 自社導入/顧客への提案の区分

解析可能な人数として現実的な50人分ほどのデータを選んだら、「手順1」で作ったアイコンを使って、動線を簡単な図で書く作業に入ります。

たとえば図2は1人のユーザーが9回目の訪問でCV(資料請求)するまでの行動を簡略化して図にしたものです。

図2 1人のユーザーが9回目の訪問でCVするまでの行動を簡略化して図にしたもの

上記の図の見方を簡単にご説明します。

まず1行目が1回目の訪問です。Organic流入で、「コラム」(アイコン名:「読」)を4記事読んで離脱しました。

2行目が2回目の訪問で、同じくOrganic流入。「製品詳細」(アイコン名:「詳」)⇒「製品詳細」⇒「トップページ(アイコン名:「ト」)」⇒「製品詳細」と閲覧して離脱しています。

3行目が3回目の訪問で、広告流入。「製品詳細」「トップページ」に加えて、「価格表」「私たちの強み」も見ています。

手順3:行動パターンを分類する

こうして50人分の行動データを整理しましたが、そのままではサイト改善の判断材料に使いにくいでしょう。

50人に対して個別の改善施策を打つわけにはいきません。そこで彼らの行動をパターン化し、そのパターンごとに最適化施策を考えます

最初からいきなりたくさんのパターンを作らずに、確度の高いものを5つ程度作ることを目標にするとよいでしょう。

より確度の高い行動パターンを抽出するために、考えるべきポイントは次の2点です。

  1. コンバージョンの手前で発生しやすいページ閲覧・行動を抽出する
  2. 抽出されたページ閲覧・行動がからむ動線を明らかにする

CV前に発生したページ閲覧・行動の抽出

まず「1」についてです。

過去の経験から私がおすすめしたい解析方法は、「CVが発生した訪問の2つ前までの訪問に、解析のパワー(時間と労力)を集中させましょう」ということです。

たとえばBtoBサイトでCV(資料請求または、お問い合わせ)したユーザーの場合です。

彼らによるCVの2つ手前までに発生したページ閲覧・行動例として、次の5つが出てきたとします。

(1)価格表を見る
(2)「その後TOPに戻る
(3)「導入事例」を見て自分事化する
(4)かなり本気になった段階で、「強み」や「選ばれる理由」も見る
(5)いざ問い合わせとなった段階で、「よくある質問」も見る

抽出したページがからむ動線の発見

次に上記5ページそれぞれを軸に、CVユーザーの動線を探していきます。

一例として、「(1)価格表を見る」に関連する動線パターンを整理してみます。

コンバージョンする前には当たり前のように閲覧される価格表ですが、閲覧後の太い動線パターンが、次の3つのようになることがあります。

その時のユーザーによる心の声と共に、動線を書いていきます(後でインサイドセールス部門の意見を聞くときに、彼らがイメージしやすいよう、こうした心の声が重要になります)。

  • (1)-(1)(価格ページ閲覧後に)TOPに戻る

    ユーザー「価格はこんな感じか。さーどうしたものかな。他社のあのツールを比べて、どっちがいいのか、正直よく分からないな」

    このタイミングで「強み」や「選ばれる理由」に誘導できるかが、勝負の分かれ目になるでしょう。

  • (2)-(2)(価格ページ閲覧後に)サポート案内に行く

    ユーザー「この価格の範囲内で、どの程度面倒を見てくれるのかな。サポート・コンサル料が高いツールは多いからな」。

    「サポートコストまで考えると、不透明すぎる」と思われたら負けです。

  • (3)-(3)(価格ページ閲覧後に)導入事例に行く

    ユーザー「このツールは良いツールであることは間違いない。しかし、うちのような規模の企業には贅沢すぎるんじゃないかな。導入事例に出ている企業の規模はどんなものだろう。

    「導入事例は、うちより立派な企業ばかり。予算も潤沢にあるんだろうな」と思われたら、形勢不利。

このように、

  • 王手(CV)につながっているか
  • それぞれの動線を通る人の目線を鑑みて、現行のサイトでUXが計算されているか

をチェックします。

パターン化の具体例

動線のパターン化に関する、より詳細な具体例をいくつかご紹介します。パターン化が最終目的ではなくて、それぞれのパターン別にウェブサイトの最適化を行うのが目的です。

といっても、5つのパターンがあるから、5種類のウェブサイトを作らなければならないということではありません。

5つのパターン全てに対応できるようなウェブサイトに改善することが目標となります。

以下、CVユーザーによる行動をパターン化した例を5つご紹介します。

  1. 製品について詳細な検索ができるほどに、ある程度の情報収集が済んでいる
  2. 既に企業名・製品名を知っていて、詳細を確認しに来た
  3. 導入候補を3社程度まで絞り込みつつある
  4. 解決したい課題があって検索していたら、たまたま製品情報にたどり着いた
  5. 解決したい課題があって検索していたら、たまたま読み物にたどり着いた

5つの例のひとつひとつについて解説させていただきます。

  • パターン1

    製品について詳細な検索ができるほどに、ある程度の情報収集が済んでいる

    このパターンの場合、「CV前に発生した主要なページ閲覧・行動」は、

  • トップページへの検索流入

になります。

その後の動線も含めると、下記のような行動パターンです。

図3: 行動パターン1

すでにユーザーはある程度情報収集が済んでいますので、「この企業にコンタクトすべきか」という確認に来ています。

この行動パターンを取るユーザーに対しては、信頼感の演出が重要です。もしかしたら外部サイトで「あそこはサポートがいまひとつ」といった情報を公式サイト訪問前に得ているかもしれません。

そういったネガティブ情報を跳ね返せるだけのコンテンツが公式サイトに無いと、「お問い合わせをするつもりだったけど、やめた」という機会損失が発生します。

また検討が進んで価格表を見ているようなユーザーに対しては、価格表で強調すべき導線は「資料請求」ではなく、「お問い合わせ」でなくてはなりません。

  • 行動パターン2

    既に企業名・製品名を知っていて、詳細を確認しに来た

    このパターンの場合、「CV前に発生した主要なページ閲覧・行動」は、

  • 導入事例の閲覧

になります。

前後の動線も含めると、下記のような行動パターンです。

図4: 行動パターン2

このタイプのユーザーは必ずと言っていい程、導入事例を確認します。

いざ導入事例を確認しようとした時に「課題別に探せない」「業種別に探せない」という状態だと、製品に対する理解を深めることができませんので、導入事例の探しやすさが重要です。

  • 行動パターン3

    導入候補を3社程度まで絞り込みつつある

    このパターンの場合、「CV前に発生した主要なページ閲覧・行動」は、

  • サポートページの閲覧

になります。

前後の動線も含めると、下記のような行動パターンです。

図5: 行動パターン3

このタイプのユーザーはカスタマージャーニーで言うと「比較検討」フェーズに入っており、情報収集は既にある程度終わっています。

こういうユーザーに効くコンテンツはサポート内容の紹介です。サポートが親切そうだという印象を持ってもらうことができれば、競合より一歩リードできる可能性が高まります。

  • 行動パターン4

    解決したい課題があって、検索していたらたまたま製品情報にたどり着いた

    このパターンの場合、「CV前に発生した主要なページ閲覧・行動」は、

  • 製品情報ページの閲覧

になります。

前後の動線も含めると、下記のような行動パターンです。

図6: 行動パターン4

企業名、製品名は知らなかったが、検索によってたまたま製品情報にたどり着くパターンです。

「製品を使って解決したい課題」をユーザー側でしっかり認識している場合が多いので、製品特長を理解してくれる可能性が高く、逃したくないユーザーです。

とはいえ「私たちの強み」のように、さらに検討熟度が高いユーザー向けのページは、なかなか読んでもらえませんが、それが普通です。

このタイプのユーザーは「価格」「導入事例」あたりから、徐々に情報収集を進めるパターンになります。

「製品情報」⇒「その製品の導入事例」⇒「価格」⇒「よくあるご質問」といったかたちで、情報収集がスムーズに行えるような導線の整備が重要です。

グローバルナビ(ヘッダー部の共通ナビゲーション)に導線があるというだけでは安心できません。

「製品情報」を読み終わったら、自然な流れで「その製品の導入事例」へという具合に、「読み終わった時の熱が冷めないうちに、遷移してもらう」ということを意識して、製品詳細ページ内の導線設計を行う必要があります。

  • 行動パターン5

    解決したい課題があって、検索していたらたまたま読み物にたどり着いた

    このパターンの場合、「CV前に発生した主要なページ閲覧・行動」は、

  • 読み物コンテンツの閲覧

になります。

前後の動線も含めると、下記のような行動パターンです。

図7: 行動パターン5

いわゆる「勉強しに来たタイプ」のユーザーです。

しかし読み物から製品情報に来てくれることは稀です。つまり上記のようにうまくいくことは稀で、8~9割のユーザーは読み物を読んだら離脱してしまいます。

こうしたユーザーに、製品情報の資料請求をしてもらうことは非常にハードルが高いでしょう。そのため「その勉強テーマにズバリ」の資料ダウンロードを用意しておくべきです。

それも通り一遍のものではなく、「この業界では、今こんな感じです」という資料でなければ、なかなかCVRを上げることはできません。

たとえば、「GDPR入門」ではなく、「製造業ウェブマーケ担当者のためのGDPR入門」でなくてはならないわけです。勉強用の資料ダウンロードであっても、それはリード獲得になります。

インサイドセールス部門との共有

私のような外部の解析コンサルタントが、こうした行動パターンをMAデータから取り出すためには、長時間の作業と熟考を必要とします。

しかしサイトオーナーである事業会社さんの営業やインサイドセールス、サポートの方々とワークショップを開催することで、特徴や概念を取り出すのに要する時間を短くすることもできます。

私も時間の許す限り、プロジェクトの中にこうしたワークショップを取り入れていただくことをお願いするようにしています。

そうして導線解析のアウトプット素案ができたら、インサイドセールスの方に見ていただきます。

作った導線を次の3段階で評価してもらうのです。解析コンサルタントが一人で悩んでも、ろくなことはありません。

C 「いやいや、これはないでしょう」
B 「どちらともいえない」
A 「これはありますね」

失礼な言い方ですが、人工知能がまだ使えない場合は、人間の知恵を借りて情報を磨くわけです。

このような工程を経て、次の「手順4」に進みます。こういう作業をすることによって、「このサイトは、こんなふうに見られているんだな」という知見が、関係者全員で共有できるようになります。

GAのレポートがポンと出てきて、終わり、というのとはかなり違う結果が得られるはずです。

手順4:抽出した行動パターンが全ユーザーの何%を占めるかをGAで集計

行動パターンを把握出来たとして、施策を実装する優先度はどう決めたらいいでしょうか。ここからがGAの使いどころです。

それぞれの行動パターンを取るユーザーが、全体の何パーセントを占めるのかをGAで把握します。

具体的には、上記の行動パターン1~5に従って5つのカスタムセグメントを作ります。

次にそのセグメントに該当するユーザー数を確認することで、「CVしたユーザーの〇%が、こういうパターンの行動をしていた」というデータを把握します。

たとえば、「行動パターン5:解決したい課題があって、検索していたらたまたま読み物にたどり着いた」

のカスタムセグメントを作るとすれば、下記のようになります。

図8: カスタムセグメント設定画面

上記のカスタムセグメントの設定について、解説させていただきます。

  • 【1】「シーケンス」を使用します。
  • 【2】セッションをまたぐので「ユーザー」を使用します。
  • 【3】「コラムから入って来た」という行動パターンを計測したいので、「最初の通過点」を選択します。
  • 【4】「コラム」のURLは複数あるので、正規表現で設定します。
  • 【5】CVのサンクスページが表示されるまでには、他のURLも通過するので、「直後のステップ」ではなく、「次のステップ」を選択します。
  • 【6】サンクスページのURLを設定します。

しかしタイプ別のユーザーの割合を把握するだけでは、サイト改善の判断材料としては不十分です。

それぞれのパターンのユーザーによる平均LTV(ライフタイムバリュー)も考慮する必要があります。

たとえば、「行動パターン3:導入候補を3社程度まで絞り込みつつある」のユーザーが成約した場合は、しっかり競合製品を比較した上で導入を決めているので、簡単には解約しません。

正確に計算することはもちろんできませんが、長くお客様でいてくださる可能性も高いので、LTVも高くなるはずです。

そのため対策として、「全体に占める割合は低いが、売上的には重要なお客様」を大事にする導線作りも考える必要があります。

今回は、「MA × GA」というテーマでご説明させていただきました。人力で解析するには骨の折れる内容だったと思いますが、ディープラーニング型人工知能がウェブ解析に本格導入されるまでの過渡期と考えて、ここ1~2年くらいを乗り切っていかなくてはなりません。